ニューヨーク・タイムズ紙の7月16日付解説記事が、ウクライナのフェドロフ国防相に対する突然の解任の背景にはシルスキー総司令官との厳しい路線対立があり、これは最近の戦況におけるウクライナの「連勝の波」を断ち切ることになる、と指摘している。要旨は次の通り。
ウクライナは、兵士たちの不屈の精神と技術者たちの革新的な取り組みによって、連勝の波に乗っていたが、それが7月15日、ドローン戦の革新を推進してきた若く人気のあるフェドロフ国防相をゼレンスキー大統領が解任したことで断ち切られた。
フェドロフ国防相は翌7月16日、緊急記者会見を開き、ロシアとの全面戦争が始まって以来、最も劇的かつ公然とした形で、ウクライナの戦争戦略、防衛関連契約における汚職、そして軍指導部の問題について批判を展開した。
国防相と軍総司令官との公然たる対立は、強大なロシア軍と戦う上で極めて重要だった結束の意識に亀裂を生じさせると同時に、戦争で優位に立っているというウクライナのナラティブにも影を落とすことになった。
ロシアによる激しい砲撃を乗り越え、戦場や外交で成果を上げ始めたウクライナの人々は、ここ数週間、紛争の転換点について語り合っていた。それが今、この国は突然、政治的危機の泥沼に陥っている。2024年、動員政策をめぐって対立した当時の総司令官ザルジニー氏が解任されて以来、最も深刻な指導部内の亀裂と言える。
フェドロフ氏は、「頭の固い将軍たちが、実戦経験豊富な指揮官やデジタルに精通した新しい世代の台頭を、嫉妬心から阻もうとしている」と述べて、公然とシルスキー総司令官の辞任を求めた。
近くの公園では、抗議する人々の集団が、フェドロフ氏への支持を示すために足を踏み鳴らし、拍手を送り、「団結して自由な一つのウクライナを!」とシュプレヒコールを上げた。
ゼレンスキー大統領は、国防相解任の理由として、シルスキー総司令官とフェドロフ氏の対立を挙げた。しかし、なぜフェドロフ氏を解任したのかについては直接言及しなかった。
亀裂は軍内部にも波及した。空軍副司令官のイェリザロフ大佐は、フェドロフ氏の解任に抗議して辞表を提出した。軍の各部門やその他の治安機関との調整を担う「統合部隊」の司令官であるミハイロ・ドラパティ将軍も、フェドロフ氏を支持する声明を発表した。
ゼレンスキー氏は、保安庁長官代行のエフヘン・フマラ将軍を国防相代行に任命した。
