2027年のロシア連邦予算案の概要が明らかになってきた。なお、ロシアの連邦予算は当該年に加え、その後2年間の見通しと合わせた3カ年のスパンで採択されるので、今回も2027~29年の連邦予算案ということになる。
報道によれば、27年の連邦財政の歳入は43.3兆ルーブル、歳出は48.8兆ルーブルに設定されるということである。財政赤字の見通しは5.5兆ルーブルであり、これは同年の国内総生産(GDP)見通しの2.2%に相当する。
注目の「国防費」は、27年は17.1兆ルーブルとされており、これは対GDP比6.9%に上る。現行の26~28年連邦予算では、27年の国防費は13.6兆ルーブルとされていたので、大幅な増額となる。
このように、ロシアの連邦予算で、「国防費」がどれだけ計上されているかを、知ることは可能である。しかし、こうした表面的な数字だけでは、ロシアが軍事部門、ウクライナ侵攻に費やしている莫大な費用の実態に迫ることは、到底不可能である。
今回は、プーチン体制が国防費の実態を覆い隠すために用いている「7つのからくり」について論じてみたい。
からくり1 国防費の具体的な内容が不明
日本の国家財政であれば、防衛関係費の総額だけでなく、その明細が事細かく公開される。それに対し、ロシアの国防費は機密扱いされ、使途がまったく示されない部分が拡大している。
その現象は以前から指摘され、10年頃にはすでにロシア国防費の半分近くが機密扱いとなっていた。そして、22年のウクライナ全面侵攻開始後、その傾向はさらに強まり、24年には約73%、25年には約79%が機密扱いとなったのである。
今や、ロシア国防費の8割は、何に使われているのかが不明で、「人件・糧食費」、「装備品等購入費」といった大掴みな分類すら示されていないのである。これでは、ロシアの国防費を公開情報から正攻法で分析することは、ほぼ不可能である。
