2026年9月6日(日)

オトナの教養 週末の一冊

2026年9月6日

 不動産の専門家である著者が、近年の外国人投資家や資産家による日本不動産爆買いのリアルな実態を明らかにした。日本の安全保障や社会構造に及ぼす深刻な影響と必要な処方箋を示している。円安と、不動産をめぐる日本の手厚い所有権保護や緩やかな規制を背景に、資金は都心の超一等地から水源地、農地、さらには防衛施設周辺にまで及んでいるという。

(SAIGLOBALNT/FOTOKITA/gettyimages)

多発する「中華まん」

 東京を中心とする大都市部では、外国人富裕層、特に中国人による活発な買収が目立っている。投資ツアーを組んで日本を訪れ、めぼしい物件を狙う動きもある。著者はこう記す。

 (外国人は)どこで情報を仕入れ、どのようにして物件にアクセスしているのでしょうか。 中国人などは、日本の現地不動産業者から物件情報を仕入れていると言われます。在留中国人が経営する不動産業者は、都内にも多数あります。 ~中略~ また中国の旅行業者と連携して日本の不動産投資ツアーを実施しています。あるツアー内容は都内での優良不動産見学、マーケット解説、購入相談受付などを行ったあと、箱根の温泉を楽しんでもらうもので、日程は5泊6日程度のものが多いようです。

 主要対象エリアは、港区(青山・赤坂・麻布)、渋谷区(広尾・恵比寿・代官山)、千代田区(番町近辺)、銀座から月島周辺にまでおよび、日本人富裕層にとっても関心の高い高級物件に注目が集まっている。

 特定の物件に中国人投資家や居住者が集中的に入居・所有する事例が多発しており、不動産関係者の間ではこれを「中華マンション(略称:中華まん)」と隠語で呼んでいるという。このほか、大学や名門附属校が多く、落ち着いた学習環境が整っていることで、教育熱心な世帯が集まる文京区には、中国系エリート層の子弟も多く住むようになり、特定の名門公立小学校に児童が殺到する事態が生じている。


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