2026年9月25日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月25日

 コルビー国防次官は8月27日、ブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)加盟国大使との会合に出席し、トランプ政権が目指す変革されたNATO(これをNATO3.0呼んでいる)と進行中の在欧米軍の態勢の見直しについて協議した。まず、彼のブリュッセル訪問を伝えるフィナンシャル・タイムズ紙の2本の報道を整理しまとめて紹介する。その主要点は次の通り。

(Michele Ursi/Maksym Kapliuk/gettyimages・dvids)

 エルブリッジ・コルビー(国防次官)はブリュッセルでNATO加盟国大使との会合に出席し、12月までに終結する予定の在欧米軍の態勢の見直しとの関連で欧州の防衛努力について協議した。この見直しは6月のNATO国防相会議でピート・ヘグセス(国防長官)が表明したもので、彼の言うところの幾つかの同盟国による「ただ乗り」を終わらせることを狙いとする6カ月の見直し作業である。

 会合終了後、コルビーは「欧州が自身の防衛を主導することを永続的に可能とするNATOの軍事モデル」を構築するための欧州の同盟国による「大きな努力の強化」を米国は必要としていると記者団に述べた。「我々は英国のような諸国のさらなる努力を希望している」と述べる一方、彼はドイツ、ポーランド、オランダによる国防支出の増加の努力を称賛した。

 NATOにおける各国別の具体的能力の緑、黄、赤の色分けによる評価は、「赤だらけで美しくない」由であるが、コルビーとの会合では能力不足や国防支出の増強が議論となった模様である。NATOの能力目標を達成あるいは超過したとの反論が欧州の幾つかの同盟国から出された由である。

 欧州諸国はペンタゴンによる欧州における米軍の態勢の見直しがどのように行われるのか分からないでいる。しかし、どのような兵器や部隊を欧州から引き上げるかを決めるに当たり、米国は防衛支出や軍事能力の明確な増強が実現出来ていない諸国を罰することに使われるのではないかと恐れる向きがある。

 コルビーは、ワシントンが8月にすべてのNATO加盟国に送った質問書にも言及した。トランプの「NATO3.0」という概念――そこでは欧州の防衛に欧州諸国が遥かに多くの責任を担うことになる――を支持するかとの質問と並んで、露骨に政治的な質問も行っている。

「米国の外交政策のプライオリティを公に支持しているか」、イラン戦争の間に米軍が基地あるいは空域を使用することに制限を課したか、という質問がその例である。

 「質問書は、同盟国が自らの回答や我々に伝えたいことを正式に文書で明確に示せるように工夫されている。我々は決して何かを隠そうとしている訳ではない」「質問書の一部は既に送り返されて来ており、内容を検討するのを楽しみにしている」とコルビーは記者団に語った。


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