2026年9月25日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年9月25日

 コルビーは、欧州の軍事基地の米軍による使用について、「あらゆる状況下で完全な白紙手形を求めている訳ではない。しかし、我々には効果的に作戦を遂行する能力が必要であり、予測可能性が必要だと言っているのである」「壮絶な怒り作戦の際には、そうしたことが必ずしも明確にされなかった。それが大統領のもっともなフラストレーションにつながった」と彼は述べた。

 質問書に対する回答が同盟国を罰するために利用されることを懸念している同盟国もある。コルビーは、ワシントンは同盟国に「妥当な期待」を寄せていると述べた。

 彼はさらに「我々は何かを押し付けようとしている訳ではない。我々が問うているのは、質問書に何と書かれるのか? 何を提供する用意があるか? ということである。その上で、様々な選択肢を検討し、それらが目的に適ったものとなることを確保するつもりである」と語った。

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米軍はどこまで退くのか

 コルビーは、NATO加盟国大使との会合における予定稿が公表された段階ですでに、「NATO2.0はもはや時代に適合しない。NATOは変わる必要がある」と述べ、NATO 3.0については、「柔軟なリアリズムに立脚し、戦闘即応態勢に焦点を当て、北大西洋地域において――同盟国が欧州の通常戦力による防衛の主たる責任を担うことにより、複数の事態の同時性の条件下であっても――抑止し、防衛し、平和を維持するよう設計された同盟を回復させるものである」と説明している。

 上記のNATO3.0の説明で目新しいのは、複数の危機の同時性に特に留意して欧州は欧州の通常戦力による防衛に一義的責任を負うべきことを主張していることであろう。これに連動した在欧米軍の態勢の見直しに当たっては、米国のプライオリティが西半球と第一列島線にあることが出発点の一つとなることをコルビーは指摘している。

 トランプ政権の欧州防衛に対するコミットメントが揺らいでいることを察知し、欧州はその防衛努力の強化を既定方針としている。しかし、米軍の能力を置き換えることのできない分野は種々あり、米軍がどの程度退くのかは欧州にとって深刻な懸念であることに変わりはない。

 米国のプライオリティは西半球だといわれても、具体的にはマドゥロ夫妻の拉致だった。第一列島線だといわれても、中国にどう対峙するつもりなのかは判然としない。


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