2026年9月25日(金)

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2026年9月25日

 米国の生成AI企業アンソロピックの技術者ジェイコブ・コクソンが、AIのリスクを警告しIPO(新規上場)により得られる巨額の富をおそらく放棄し辞任した。彼の9月8日のXでの辞任理由とAIのリスクに関する複数の投稿の内、辞任に関する文章は1億7000万回再生されている。

(HT Ganzo/gettyimages)

 その内容は次だ。「今日アンソロピックを退職した。3年間オープンAIとアンソロピック両社でAIの事前学習の研究に従事したが、両社とも責任ある行動を取っていない。自己改善する超知能の実現に正面から競争し、私たちの命を危険にさらしている」。

 さらに続くXは、AIのリスクと対策を以下のように述べている。

・この技術の力を過小評価してはいけない。現実の権力やリソースを獲得し得る人間を超越したシステムにすぐになる。

・AIを開発する当事者は、あと10年でAIが人類を滅ぼしかねないと本気で信じている。これだけの危険を持つ人類の活動は他にはない。

・なぜ開発を続けているのか。オープンAIでは多くの従業員がリスクを深く認識していない。アンソロピックでは認識されているが、一番乗り競争に囚われている。

 コクソンは、協調の可能性について楽観的だとしている。一方、米国では開発ペースに関する合意形成が近づいているが、費用を伴う一時的なモデル開発の禁止という世界的な開発競争を止める軌道にあるとは思えないと吐露している。

 この発言の前には、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツがAIの3つのリスクを指摘し、グローバルな規制の必要性を訴え(ビル・ゲイツが警鐘を鳴らす「生成AI」3つのリスク…増える仕事と減る仕事、最も影響を受けるのは誰か?  Wedge ONLINE)大きな話題になった。

 コクソンの発言を受け、アンソロピックのダリオ・アモディ最高経営責任者(CEO)は、AIのリスクと規制の必要を認める投稿をし、これもメディが大きく取り上げた。

 他のAI企業首脳からも規制の必要性に関する発言が続いた。米国の世論調査でも、AIに関する否定的な意見が増えている。

 AIを支えるデータセンターへの反対も増え、11月3日の中間選挙の争点の一つになる中(データセンターが米中間選挙の争点に?共和党にも反対を唱える動き、州や市が誘致政策の撤回へと進む事情  Wedge ONLINE)、トランプ大統領は、自身のSNSの中でアモディCEOを「小さな完璧な天使のふりをしている」と批判の上、IQの高い大統領が規制すれば十分と主張し、AI開発を強化する方針を明らかにしている。

 AI推進は中間選挙に不利に働く可能性もあるが、トランプ大統領のAI推しは止まることがない。なぜだろうか。


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