なぜトランプ大統領はAIを強く推すのか
AI企業の首脳だけでなく、英国チャールズ国王もAIは人々の命を奪う能力さえも発達させる懸念があると警鐘を鳴らしている。それでも、トランプ大統領はAI規制の必要はなく、IQが高い大統領がいれば十分と主張し、AI推しの姿勢をまったく変える気配はない。
その理由のひとつは、トランプ大統領が主張する中国との競争に勝つことの重要性だろう。AIが国の競争力も左右するとトランプ大統領が考えているのは明らかだ。
国内事情もありそうだ。トランプ大統領はAIが将来GDPの25%を占める可能性にも触れている。
現在米国の経済成長の大きな柱は、AIとデータセンター投資だ。半導体、発電設備、送配電設備などの需要が成長に寄与している。
AI、データセンター関連企業が株式市場にも好影響を与えている。アンソロピックとオープンAIの新規上場は大きな話題だ。
トランプ大統領がAIを推す理由には、個人的な動機もあるのかもしれない。ロバート・ライシュ元労働長官、カリフォルニア大学バークレー校教授が、大統領のAI推しの姿勢が変わらない理由についてSNSで「トランプがAIを愛する理由」として解説している。
ライシュは、AIに詳しいはずがないトランプが国民の懸念が高まる中で、しかも中間選挙前にAI規制に反対する理由として、トランプの個人的な利害関係に疑問を投げかけている。
ライシュによれば、次男エリック・トランプと長男ドナルド・トランプ・ジュニアはデータセンター、AI支援企業に多額の投資を行い、さらに関与するファンドとトランプ・ジュニアが経営する投資銀行を通しAIインフラ企業などにも投資している。
大統領がAI規制を考えないのであれば、中間選挙の結果議会の構成に変化があれば、議会がAI規制に乗り出す可能性がある。
国際的な規制については、9月24日の米中首脳会談では米中のAI対話についても話題になるようだ。
AIを規制する動きが、米国内、国際間で進むのだろうか。米中首脳会談と米国の中間選挙の結果が注目される。
