2026年7月8日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月8日

 また、ケイコは、裁判を受けることなく2018年から19年にかけて17カ月間、汚職疑惑で予防拘留され、憲法裁判所の判決で釈放された経験を持つ。この事件は、司法の政治利用だと双方の立場から批判された。ケイコが政権につけば司法権に影響力を行使することが懸念されているが、司法を如何に政治と切り離せるかが制度の安定性と信頼性を取り戻す鍵であることを理解すべきであろう。

米中との関係は

 対外関係については、先に触れたアトランティック・カウンシルの専門家たちは「ケイコは当初、ワシントンとより密接な関係を持つ候補と見なされていたが、大統領選キャンペーン中は米中どちらの側にもつかなかった。現在、当選の可能性が高い彼女は、ペルーの国際経済的利益を優先し、機会を捉えようとする実利的な戦略をほぼ確実に維持するであろう。つまり、彼女の政府はペルーの主要な貿易・投資相手国の一つである中国に単に背を向けることはできないということだ。また、重要な政治的・外交的同盟国としての米国を無視することもできない」と指摘している。その通りであろう。

 ケイコが当選すれば、外国投資の導入や投資環境の改善が期待され、ペルーが南米地域の窓口としての価値を増す可能性もあろう。ペルー経済は貿易・投資面で中国への依存が相当程度進んでいることから、経済面で親米反中というあからさまな立場を取ることは得策ではない。

 他方、米国からの投資を期待しており、鉱物資源や安全保障上の観点からの経済面での米国の要求には可能な限り応ずるであろうし、麻薬対策の面でも米国に協力的な対応を取るであろうから、対米関係は緊密化する余地はある。

 わが国としても、ケイコが日系人ということもあるが、経済連携協定(EPA)等のパートナーでもあり、政策的な相互利益の観点からも、政権の安定に協力すべきであり、早期の首脳間の交流などに意を用いるべきであろう。

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