日本のコンテンツ分野の海外売上の合計は6兆円を超えた。これは、映画(実写)、テレビ番組、アニメ(劇場・放送・配信等と商品化ライセンス)、家庭用ゲーム(ソフト販売/オンライン)、スマホ・PCゲーム、出版(マンガが主)の合計である。うち、アニメの海外売上が前年比26%の大幅増で約2.2兆円となり、全体の拡大を支えたという(「2024年の日本と世界のコンテンツ市場の規模と日本のコンテツの海外売上の調査結果」ヒューマンメディア2025年11月28日)。
日本のアニメなどは世界で評価されているのに、日本のコンテンツを海外に広げる目的で設立した官民ファンド「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン機構)は、2025年度の決算で累積損失が540億円になった。巨額の赤字により、政府は今後、機構の廃止や他のファンドとの統合を前提に、応策の具体的な検討に入るという。
クールジャパン機構は何をしてきたか
クールジャパン機構は、日本の魅力ある商品やコンテンツの海外展開を促進するため、民間企業と共同で総額2040億円の事業に資金を投じてきた。例えば、クモの糸由来の人工のタンパク質素材を開発するスタートアップ「スパイバー」に累計140億円、三越伊勢丹ホールディングスと共同展開したマレーシアの百貨店ISETAN The Japan Storeに約9.7億円、日本のテレビ番組を海外へ発信するインドネシアの「WAKUWAKU JAPAN」に約44億円などである。
ところが、スパイバーは私的整理、ISETAN The Japan Storeは閉鎖、「WAKUWAKU JAPAN」放映中止に追い込まれた(みんなの政治ナビ「クールジャパン機構のメンバー構成は?失敗例と成功例から見える課題」による)。
そもそも、スパイパーやマレーシアの百貨店への投資がなんでクールジャパンなのか理解しがたい。「WAKUWAKU JAPAN」はクールジャパンと言えるかもしれないが、ストリーミング配信が主流になっている時に衛星放送で配信しようとし、その設備に多額の投資を要したことが損失の主因である。
