2026年7月18日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月17日

 フィナンシャル・タイムズ紙の6月25日付け社説が、「最近のラテンアメリカの大統領選挙での相次ぐ右派候補の勝利について、僅差で勝利しているものもある。これは右派の台頭というよりも各国の国内の極端な分断を示すものであり、いずれの国でも今後政治的膠着状態に陥る恐れがある」と警告している。要旨は次の通り。

(RamCreativ/johavel/gettyimages)

 コロンビアの大統領選決選投票の結果、アベラルド・デラエスプリエジャが、右派ポピュリストとしてラテンアメリカで新たに権力を掌握した。エルサルバドルのブケレやアルゼンチンのミレイをモデルとする同氏は、麻薬犯罪者を収容する巨大刑務所の建設や、コロンビア政府の規模を40%縮小することを公約に掲げている。

 彼の勝利は、チリ、ホンジュラス、ボリビアなど、ここ数カ月で同地域において右派候補が収めてきた一連の勝利の流れをさらに拡大するものだ。その多くは、ドナルド・トランプと同じような主張を掲げて選挙戦を戦った。

 実際、ラテンアメリカで行われた過去15回の大統領選挙のうち、右派または中道右派の候補者が12回勝利したことになる。

 しかし、これらの勝利が、特に経済面において右派の政策課題を支持する新たなイデオロギー的潮流を意味するものではないことは、ますます明らかになっている。1990年代には、有権者は地域全体で、貿易の自由化や国営企業の民営化といった抜本的な改革を推進する政権を次々と誕生させた。暴力や犯罪への対策は別として、現在では、そのような野心的な改革に対する意欲は薄れている。

 現在の政治環境が抱える制約は、最近選挙が行われた2つの国において顕著に表れた。チリでは、ホセ・アントニオ・カストが3月に大統領に就任したが、イラン紛争に起因する燃料価格の高騰を抑えるための公的支出を拒否した結果、わずか数週間で支持率が急落した。

 ボリビアでは、中道右派のロドリゴ・パス大統領が、20年近く続いた社会主義政権に終止符を打ったことで、燃料補助金の削減について信任を得たと考えていたが、ここ数週間、首都ラパスは労働組合や農業団体が主導する抗議活動や道路封鎖によって機能不全に陥っている。

 コロンビアのデラエスプリエジャも歳出の大幅削減を公約しているが、具体的にどこでその経費を捻出するのかについてはほとんど明らかにしていない。元刑事弁護士である彼は行政経験がなく、議会で協力を仰ぐ必要のある既存政党に対して軽蔑的な態度を示してきた。


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