2026年7月18日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月17日

 元々の左右両極の間で、中間派や無所属の票が、どちらに振れるかは、イデオロギーというよりも国民の日常生活に成果が実感できるような政策の公約が鍵となる。今日の状況で留意すべきは、SNSを活用するポピュリズムと結びついた強権と軍事力に依存するトランプ的風潮が定着するか否かであろう。

 エルサルバドル、アルゼンチン、ホンジュラス、コロンビア等の右派候補指導者をトランプは露骨に支持し、軍事面あるいは経済面での優遇を図る動きを示したことは、これまでにはない要素と言える。トランプ政権がこのような親トランプ指導者をどこまでテコ入れするのか、また、有権者にとっての最重要争点がいつまで犯罪組織や移民の流入による治安の悪化であるのかによっても、そのような指導者の権力の維持に影響を及ぼし得るであろう。

重要となる議会との関係

 以上のような一般論の下、各国政権が安定政権となり公約を実現できるかは、結局のところそれぞれの国内の政治、経済事情によるのであり、特に政策がどの程度実現するかは議会との関係によることになる。

 チリやボリビアの右派大統領はすでにその洗礼を受け始めているが、議会に足掛かりを持たず、国民の人気投票で選ばれたコロンビアのデラエスプリエジャ候補は、右派や中道系の政党の支持を獲得できても過半数にまで達するかは不明であり、この点極めて危うさが感じられる。

 これに比べ、ペルーのケイコ・フジモリは既に経験豊富な政治家であり、議会の相対多数派を確保しており、他の右派政党との連立によりある程度の政権の安定の可能性はある。アンデス南部や農村地域とリマをはじめとする沿岸都市部の利害対立の中で、急進的な改革を訴える左派のサンチェス候補に対する警戒心から、中間派や既存のエリート層、在外有権者は、ケイコ支持に回り、僅差での勝利につながったのであろう。もっとも、伝統的な反フジモリ感情も侮れず、街頭運動で政府を挑発する極左の動きや、右派内部での党利党略に足を引っ張られないように留意の必要があろう。

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