サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会初戦で、日本代表は優勝候補の一角であるオランダと2-2で引き分けた。試合後、森保一監督は「常に勝ち点3を目指して戦っているので、勝ち点3を取れなかったことは残念だと選手たちには話した」と明かした。
その一方で、「オランダ相手にこのW杯の舞台で勝ち点1を取れるチームがどれだけあるか。2回もリードされた状態から勝ち点1を取ることはそう簡単ではない」と選手たちを称えた。日本は2度リードされながら追い付き、価値ある勝ち点1を手にした。
しかし、その内容を振り返ると、単なる粘りや精神力だけでは説明できない。そこには森保監督が今大会をどう戦おうとしているのか、その戦略とチームマネジメントが凝縮されていた。
理想ではないが、想定内の展開
南野拓実、三笘薫が怪我で欠場したことにより、手薄となっていた3-4-2-1の左シャドーにはスピードのある前田大然を抜擢。それまでのテストマッチで使ってこなかった前田のシャドーにより、オランダの起点を封じながらボールを奪ったらカウンターを仕掛ける。結果的に得点は入らなかったが、前半を終えて、後半に勝負のギアを入れるというのはプラン通りに思われた。
後半5分にオランダが得意とするセットプレーの流れからセンターバックのフィルジル・ファン・ダイクに、右からのクロスをあわされてリードを許す。日本の理想的なプランは崩されたが、持ち場の右シャドーから左に流れた久保建英が、左ウイングバックの中村敬斗との鮮やかなコンビネーションを引き出して、中村による同点ゴールが生まれた。しかし、一度オープンになった流れは後半19分のオランダの勝ち越しゴールに繋がってしまう。
しかし、森保監督をはじめとした代表スタッフや選手たちは合宿期間に、あらゆる状況を想定した対応を話し合ってきたという。後半途中に勝ち越されたシチュエーションは理想的ではないが、想定内だったようだ。
ここで森保監督が選択したのは後半30分の交代策だ。この直前、攻撃の中心の久保建英が右サイドバックのデンゼル・ダンフリースとの接触で負傷するアクシデントに見舞われた。本来であれば攻撃力低下につながりかねない場面だったが、森保監督は迷わず動く。
