サッカーのワールドカップ(W杯)北中米大会に臨む日本代表メンバー26人が現地入りした。日本が初めてW杯に出場した1998年大会から「Jリーグ(国内)組」と「海外組」の内訳は大きく変動。98年大会には一人もいなかった「海外組」が今大会は23人と9割近くを占め、Jリーグから選出された選手は3人(うち1名は海外経験者)にとどまる。
メジャーリーグへ行くプロ野球選手と違い、サッカーの場合は移籍時の年齢も若く、代表クラスでもライトなファン層にはなじみの薄い選手もいる。海外でもまれた選手によって代表が強くなるほど、Jリーグは「空洞化」を招くジレンマを抱える。
「年金リーグ」からの進化
W杯北中米大会の日本代表が発表された5月15日は、93年にJリーグがプロサッカーリーグとして幕開けをした一日で、「Jリーグの日」と呼ばれる。
日本代表を率いる森保一監督は代表発表会見の冒頭で、こんな言葉を述べた。
「今日5月15日は『Jリーグの日』ということで。メンバーはまだ発表していませんが、現在の所属チームとしてのJリーグの選手は、現在の日本代表の選手の中では少なく見えているかもしれませんが、スタッフも選手も含めて、Jリーグで経験してきたからこそ、世界に挑めるという力をつけさせてもらいました。多くの皆さんがJリーグから、国内からの後押しがあって世界に挑めるということを、皆さんが道筋を作ってくださって、後押ししてくださったことに本当に感謝を申し上げたいと思っています」
Jリーグがあってこその日本代表という構図を強調したのは、その後に行われた代表選手の内訳と無関係ではないだろう。
代表26人の中で、Jリーグ所属はGK早川友基選手(鹿島)と大迫敬介選手(広島)、海外でのプレー経験もあるDF長友佑都(FC東京)の3人だけ。朝日新聞が代表発表の翌日紙面で掲載した大会の予想先発メンバーには、今季のオランダリーグで得点王に輝いた上田綺世選手(フェイエノールト)をはじめ、イングランド、スペイン、ドイツ、フランス、イアリアのいわゆる欧州リーグの「ビッグ5」のほか、ベルギーでプレーする選手らが紹介され、Jリーグ所属の選手は1人もいなかった。控え候補の選手も「海外組」でほぼ占められ、デンマーク(鈴木淳之介選手)やスコットランド(前田大然選手)などでプレーする選手も選ばれている。
過去7大会の代表メンバーの内訳をみると、98年フランス大会の海外クラブ所属選手はゼロだった。当時は日本のW杯初出場効果がJリーグにも波及し、代表候補の選手らがJリーグの試合で代表入りへのアピールを重ねた。
