2026年6月10日付の韓国中央日報社説が、今回の習近平訪朝につき、非核化が議題から消え、中国が北朝鮮の核を容認した可能性があると懸念している。
今年最初の海外訪問先として北朝鮮を選んだ習近平は、金正恩との首脳会談や中朝友誼塔への訪問を通じて、両国の「特別な関係」と「戦略的パートナーシップ」が血盟であることを誇示した。ぎくしゃくしていた二国間関係の修復を超えて、両国は経済、外交、法執行、さらに軍事にまで及ぶ包括的な協力関係へと進んでいる。
北朝鮮の表現を借りれば、習近平の訪問は両国関係の「新たな章」を開いたのかもしれない。他方で、朝鮮半島と北東アジアの安全保障環境には暗雲が立ち込めている。
両国の発表や報道によれば、今回の首脳会談では北朝鮮の非核化に関する言及が完全に姿を消した。過去の首脳会談では少なくとも原則論として「朝鮮半島の非核化」に触れていたことを考えると、これは中国の立場の重大な変化を意味する。
首脳会談で習近平は、双方が「夫々の主権、安全保障および発展の利益を断固として守らなければならない」と述べた。北朝鮮が核開発を「主権的権利」と主張し、さらにはそれを憲法に明記していることを考えると、習近平の発言は平壌の論理に暗黙に同調し、核保有を容認するものであるとの懸念を払拭することは難しい。
中国はこれまで、朝鮮半島政策の原則として非核化を掲げ、北朝鮮の非核化を目指す六者会合の議長国として仲介者の役割を果たしてきた。もし中国が北朝鮮の立場を受け入れ、今回の首脳会談の議題から非核化を除外したのであれば、国際社会における責任ある役割を放棄したとして批判を受けるに値する。
中国側の発表文に「軍事交流」という表現が盛り込まれたことも懸念される。さらに、習近平は国境貿易の通関拠点の全面開放などを提案したが、かかる経済協力の拡大は国際社会による北朝鮮制裁の弱体化につながる可能性がある。
北朝鮮はロシアとの関係を強化する一方で、伝統的な同盟国である中国との協力を通じて戦略的価値をさらに高めている。外交・安全保障当局は、この中朝接近がもたらす重大な影響を認識し、その対策を準備すべきだ。
