2026年7月6日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月6日

 韓国の李在明大統領は、昨年1月の中韓首脳会談で、中国が北朝鮮の非核化に向けて役割を果たすよう求めた。しかし、中国がその役割を果たしているかは疑問である。韓国政府は、北東アジアにおける安全保障上の脅威についての懸念を中国に明確に伝え、責任ある行動を取るよう促すことで、外交的な決意を示さなければならない。

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北朝鮮が「核保有国」を主張

 習近平は、6月8~9日に平壌を訪問し、金正恩と会談した。これは、19年6月以来、7年振りの訪朝だった。中朝首脳会談は、昨年9月北京で開催された軍事パレードに金正恩が出席して以来となる。

 今年は中朝友好協力相互援助条約の締結から65年の節目になる。習近平は6月10日に金正恩に送った電報の中で、今回の訪朝の結果に「満足している」と書いた。中国国営メディアによると、習近平は6月8日の夕食会で、両国は「山河で結ばれ、運命を共にしている」、中朝関係は「新たな歴史的出発点」にあり「この時代における新たな使命を担っている」、「ハイレベルの協力と、人と人との結びつきの両方を深める」ことで、金正恩と「重要な合意に達した」と述べた。

 上記社説は、今回の習近平の訪朝で、「朝鮮半島の非核化」への言及がなかったことを懸念し、それは中国による北朝鮮の核容認を意味すると指摘する。今回の訪朝では共同声明が出ていないが、従来の非核化への言及に北朝鮮が反対したため出さないことにしたのかもしれない。双方の発表文にも言及がない。

 習近平訪朝直前の6月6日、朝鮮労働党総務部長金与正は「我々の核保有国としての地位は絶対に後戻りできない限界線で、誰が認めようが認めまいが厳然たる現実だ」とし、北朝鮮の核保有国としての地位を強く主張した。さらに金与正は労働新聞に掲載された 6月7日付談話で「国家の最高法である憲法によって固定された朝鮮民主主義人民共和国の核武力は、国家主権と国家防衛の核心的な力であり、これはわが国の核心的利益の守護が外部のいかなる影響にも依存しないことを担保している」と述べた。

 金与正は、「5日、米国務省報道官が自国メディアの論評要請に答え、先月の米中首脳会談で双方が朝鮮民主主義人民共和国の『非核化』という共通目標を再確認したと明らかにした」ことに関連して、「これは米国の常とう的な虚偽情報流布の遊びにすぎない」と主張した。北朝鮮は、今や「朝鮮半島の非核化」さえ言わず、中国はそれを黙認せざるを得なくなったということかもしれない。


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