中国共産党中央党校「学習時報」元副編集長の鄧聿文が、2026年5月27日付フォーリン・ポリシー誌に寄稿し、習近平主席の訪朝予定に関して、中朝関係は北朝鮮の事実上の核保有という現状を踏まえて再構築される必要があると述べている。
習近平主席が近く北朝鮮を訪問する可能性があると報じられている。習主席が最後に平壌を公式訪問したのは19年6月で7年前のことだ。訪朝が長らく遅れていることは、北朝鮮が事実上の核保有国であるという現実を北京がいまだ完全には受け入れていないことの反映であり、これが両国関係の深化を阻む大きな障害となっている。
中国の長年の外交政策は朝鮮半島の非核化である。他方、金正恩にとって、核兵器は体制の安全保障を究極的に保証するもので、米国と交渉するための唯一の切り札である。ただし、中国にとって、北朝鮮を核保有国として公然と認めることは、長年堅持してきた核不拡散の立場を損ない、韓国、日本等からの連鎖反応を引き起こしかねない。
かつて中国は米国と協力して北朝鮮に核開発計画の放棄を迫ったが、これは中朝関係を悪化させた。最終的に中国は北朝鮮の核保有を暗黙のうちに容認せざるを得なくなった。
「朝鮮半島の非核化」は依然として中国の外交用語として用いられているが、もはや中朝関係の中心的な概念ではない。中国は、北朝鮮の核問題を、中朝首脳会談の妨げにすることはもはや許されないと認識したのかもしれない。両国関係は、北朝鮮の事実上の核保有という現状を踏まえて再構築される必要がある。
習主席の訪朝はまた、中国が北朝鮮を自国の戦略的緩衝地帯に再び組み込むことを意味する。米日韓の安全保障協力が深化し、日中関係が極めて悪化している現在、北朝鮮の中国にとっての戦略的価値は高まっている。
習主席はプーチン大統領のことも念頭に置いている。金正恩がロシアに接近したのは、北朝鮮の安全保障を保証してくれる後ろ盾が必要だからだ。しかし、ロシアが北朝鮮に提供できるのは軍事的・安全保障的な支援のみで、中国のように発展への道筋を示すことはできない。
中国は、習近平の訪問を利用して、経済的・安全保障的な支援を提供することで、北朝鮮を中国主導の軌道に引き戻そうとするだろう。習近平主席の今回の訪問は、豆満江河口と羅津・先峰経済特区を通じたアクセス開放を目指し中国東北部の経済活性化を図るものでもある。
