韓国の安圭伯国防部長官が二つの舞台で存在感を示した。8日には国防広報院テレビに出演し「K防産」(韓国防衛産業)を国家戦略の中心に据える構想を語り、世界4大防衛産業国入りを掲げた。
そして同じ日、首都防衛司令部隷下の「特定警備地区」を視察し、首都防護の現場に立った。自主国防のビジョンとそれを支える重層防衛の実態。長官の動きから、韓国安保戦略の今を読み解く。
安圭伯国防部長官が語る防衛産業の未来像
安圭伯国防部長官は8日、国防広報院テレビ(KFN)の特別企画「安圭伯国防部長官に聞く」に出演し、「K防産」を国家戦略の中心に据える構想を語った。安長官の言葉は明快だ。
「平和は乞うものではなく、自ら守る力がある時に初めて維持される」と説き、自主国防の最後のピースが防衛産業だと位置づける。
安長官が描く青写真は、世界4大防衛産業国に名を連ねること。背景には、国際秩序が「多極化」を超えて、誰も責任を負わない「無極化」へ傾くという認識と、核・ミサイル能力を高度化させ、ロシアとの軍事協力で通常戦力も底上げする北朝鮮の脅威がある。米韓同盟を堅持しつつ、敵を圧倒する質的・技術的優位を自前で確保する――それが長官のビジョンだ。
そのための具体策は重層的だ。まずドローン戦力を充実させる。ドローン6万機余りを2029年までに導入し、兵士の「第二の個人火器」として運用する構想を示した。対ドローンでは、電波妨害によるソフトキルを基本に、必要に応じて直接撃墜のハードキルを併用する方針だ。
次に北朝鮮の核・ミサイルに対抗する韓国型3軸体系(キルチェーン、ミサイル防衛、大量報復)には、前年比約21%増の予算を充てる。長距離地対空誘導弾L-SAMが上層で一次交戦、天弓Ⅱとパトリオットが二次交戦、長射程砲迎撃システムLAMDが下層を担う複合多層防御で「アイアンドーム」を完成させる構えだ。LAMDは当初計画より2年前倒しで29年の早期戦力化を目指す。

