2026年5月13日(水)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2026年5月13日

 象徴的な事業も並ぶ。今年3月に量産1号機がロールアウトした国産戦闘機KF-21 ポラメについては、40年までに国産エンジンの開発能力を確保する方針を表明した。

 また年内に米国との実務交渉開始を目指す原子力潜水艦は、特別法制定や専担組織の新設で推進力を確保するとした。建造は国内、核燃料は対米交渉という役割分担も示された。

 最後に、昨年の防衛産業輸出額154億ドル・世界4位(※)という実績を踏まえ、安長官は「2030年・防産4大強国」の目標を掲げ、カナダ潜水艦事業(CPSP)に張保皐Ⅲ型で挑む姿勢を強調した。

※ 154億ドル・世界4位という表現は韓国国内の通用表現(単年度、受注(契約)額)であり、ストックホルム国際平和研究所のデータに基づく5年平均・引き渡しベースでは世界9位である。

韓国独特の地域防衛システム「特定警備地区」とは

 安圭伯国防部長官は同じく8日、首都防衛司令部(首防司)隷下の「特定警備地区」警護・警備部隊と防空陣地を訪問した。耳慣れない「特定警備地域」とは、統合防衛法を根拠とし、国家中枢が集まる地域について、地域軍司令官が当該区域の全ての国家防衛要素を作戦統制する仕組みをいう。

 ソウルでは首都防衛司令部がその役割を担う。直轄に第1警備団、第1防空旅団、軍事警察団、市街戦・対テロに特化した第35特殊任務大隊などを置き、隷下に漢江以北を担当する第56歩兵師団と漢江以南を担当する第52歩兵師団を抱える軍団級の部隊。李在明政権が25年末に大統領執務室を龍山から青瓦台に復帰させたことで、北岳山・仁王山一帯と青瓦台外郭警戒を担う第1警備団は再び要職部隊となった。

 第56師団は大統領室・国防部・合同参謀本部など重要施設の防護を、第52師団は対テロ訓練やFPVドローン操縦者養成など都市作戦の近代化を担う。化学・生物・放射能テロには国軍化生放防護司令部隷下の第21特任大隊が即応する。

 この枠組みは首都だけではない。海岸部では海兵隊第1師団長が司令官を兼ねる「浦項特定警備地域司令部」が1968年に設置され、韓国最大の鉄鋼メーカーPOSCOや月城原発など東海岸の産業・エネルギー中枢を海兵隊と海軍が連携して防衛している。

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