2026年4月13日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月13日

  Economist誌3月28日号は、イランの神権政治体制が革命防衛隊の軍事独裁体制に代わったとする解説記事を掲載している。概要は次の通り。

(ロイター/アフロ )

 米国のトランプ大統領は、イランの指導部に大きな変化はないかのように語っているが、問題は誰が権限を有しているかだ。モジタバ新最高指導者は就任以来、影も形も見せておらず、さらに、最高国家安全保障評議会(SNSC)のラリジャニ書記をはじめとする高官や軍指導者も相次いで殺害された。

 その空白を埋めたのは(外部から見ると)不透明な分散型の体制だ。つまり、イランの今の体制は(米国とイスラエルの)暗殺作戦に耐えるように設計されている。
そして、その中心に革命防衛隊が存在する。革命防衛隊は、19万人以上の規模の準軍事組織で現在では国家運営と軍事作戦の双方を主導しているとみられる。

 体制内部の関係者によれば、イランの体制は従来の神権政治から、アルジェリアやエジプト、パキスタンに類似した軍事主導体制へと移行している。イランの憲法によれば最高指導者は高位の聖職者であるべきだが、モジタバ師の最高指導者就任は宗教的正統性よりも革命防衛隊の意向によるものであり、聖職者たちは同師を承認することを強要された。

 現実の問題として、体制の権力は革命防衛隊に移っている。殺害されたラリジャニSNSC書記の後任には革命防衛隊出身のムハンマド・ゾルガドル准将が書記に就任したが、SNSCが全体の戦略を決定し、さらに復活した防衛評議会が作戦司令部として機能して攻撃目標の選定と攻撃命令を出している。実際の作戦は革命防衛隊の前線司令部「ハタム・アル=アンビヤ」が統制を担い、高性能な長距離ミサイルの管理も行っているとみられる。


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