「(台湾有事の場合)米国は台湾を守るのか」――。先月の米中首脳会談で習近平国家主席が放ったトランプ大統領への問いかけは、重大な意味が込められていた。だが、そのタイミング、狙いなど、依然として多くの謎に包まれている。
かつてない強い態度でのけん制
2時間以上に及んだ先の首脳会談で両首脳は、イラン情勢を含む国際関係、通商問題などについて意見交換したほか、米中の「建設的戦略安定」関係構築で見解の一致を見たとされる。
その一方で、中国側の発表によると、習近平氏は会談の場で、台湾問題を持ち出し、「台湾問題で適切に処理できなければ、両国は衝突する」と述べ、米国の関与をかつてない強い態度でけん制した。これまで台湾有事に関し、中国側が米国大統領に「米中衝突」という表現まで使って警鐘を鳴らしたことは稀有に近い。
しかし、習近平氏の台湾問題に関する発言はそれだけではなかった。「(中国が軍事行動に出た場合)米国は台湾を守るのか」。トランプ氏の面前でこんな驚くべき問いかけをしたのだ。
この部分については、中国は一切沈黙したままだが、首脳会談終了後、帰途についたトランプ氏が大統領専用機「エアフォース・ワン」の機中で同行記者団に漏らしたことで明らかになり、たちまち国際メディアの重大関心事となった。
CNBCの報道によると、この部分についてのトランプ発言は、居合わせた記者の一人の質問に答えたとみられ、正確な表現は原文で「習近平主席が私にその質問をした。私は『それについては話さない』と返した」となっている(“That question was asked to me by President Xi. I said I don‘t talk about that”)。
いずれにしても、トランプ氏の言葉を信じるかぎり、中国共産党最高指導者が台湾問題に関して、米国大統領に防衛の意思を直接ただしたことは間違いない。
ではなぜ、習近平氏はトランプ氏に、そしてあえてこの時期に「台湾有事」の最も核心に触れる問いかけを行ったのか。
