2026年6月12日(金)

トランプ2.0

2026年6月12日

気がかりなロシアと中国の関係

 問題は、こうした背景の下で今後、中国が台湾問題処理でどう動くかにある。この点について、しばしばささやかれてきたのが、「2027年台湾侵攻」説だ。

 同侵攻説については、米国情報統括機関として知られる「Intelligence Community=IC」が、去る3月公表した「年次脅威評価(Annual Threat Assessment)」の中で、①台湾への水陸両用侵攻が極めて困難②米国介入による失敗のリスクが高いなどの理由から、27年決行の可能性を否定的にとらえていることが明らかにされた。

 ただ、もしそうだとしても、今回首脳会談で習近平氏がなぜ、台湾防衛についての米大統領の反応をうかがったのか、その真意がどこにあったのかも、依然として不明だ。

 この関連で、気がかりな動きがひとつある。それは、米中首脳会談終了から間もない去る5月20日に、ロシアのプーチン大統領が急遽北京訪問し、習近平主席との会談に臨んだことだ。

 両国の国営メディア報道によると、習近平主席は「双方が互いの発展と復興を支援すべきだ」と訴え、プーチン氏は「両国関係がかつてないほど高いレベルに達している」と応じたほか、会談終了後、両首脳は「戦略的連携のさらなる強化」と「良き隣人としての友好協力関係の深化」を主眼とする共同声明に署名したという。

 このうち、「戦略的連携のさらなる強化」が具体的に何を意味するのかについては、会談終了後、両首脳の一方的発言のみで、記者会見が行われなかったため、一切明らかにされていないが、もし、その中に台湾問題が含まれていたとしたら、コトは重大だ。なぜなら、「台湾有事」の際に、ロシアが軍事面で中国人解放軍へ本格加担することになれば、米国そして日本を含む同盟諸国側との軍事バランスを一変させることになるからにほかならない。

 トランプ氏は、ロシア軍によるウクライナ本格侵攻が始まった当初、「プーチンと良い関係にある自分が大統領だったら、戦争はあり得なかった」として、当時のバイデン大統領を酷評したことは記憶に新しい。

 しかしもし、同じ良好関係にあると自認する習近平体制の下で、台湾侵攻が始まったとしたら、トランプ氏はどう釈明するのだろうか。

 いずれにしても、最近のトランプ大統領の対中姿勢をめぐっては、不安材料が増えつつあることはたしかであり、楽観は禁物だろう。

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る