2026年7月13日(月)

WEDGE REPORT

2026年7月13日

 香港警察は2026年6月24日、政府への憎悪を煽る目的で出版物を販売したなどとして、香港国家安全維持条例(国安条例)違反の疑いで独立系書店「獵人(猟人)書店(Hunter Bookstore)」経営者の黄文萱氏ともう1人を逮捕したと発表した。海外の政治組織から資金の援助を受けたという疑いも持たれている。2人は6月26日に釈放され7月下旬に警察に出頭することになっている。

獵人書店(Hunter Bookstore)Facebookより

 獵人書店は、政治的に敏感とみなされる書籍を扱っていた。中国・香港当局による民主化運動への取り締まりは強まりつつあるが、なぜこのタイミングで独立系書店を逮捕したのか。そこには、民主化を求める声をさらに抑え込もうという動きが見えてくる。

知的に政府へ対抗する「軟對抗」

 香港では20年に「香港国家安全維持法」(国安法)が制定された。そして、24年には、国安法の法的な穴を補完するために国安条例が制定されていた。

 これらの法律により、香港では、デモなど表立った政治行動は事実上できなくなっていた。一方、中国語には「上有政策、下有対策(上に政策があれば、下に対策あり)」という言葉があり、民主化を求める香港人たちは、本やインターネット、文化などを使って香港政府に抵抗する「軟對抗(Soft resistance)」を展開してきた。ハードがダメならソフトで……ということだ。

 そうした「ソフトな」抵抗の一つと言える書店の経営者を逮捕した。今回は中国・香港当局が進めた法整備を活用した形となった。


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