WEDGE REPORT
時間軸の長い視点で深く掘り下げて、世界の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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ウクライナに見るドローン戦闘の現実
2023/01/30 高橋一也北朝鮮の無人機(ドローン)5機が韓国の領空を侵犯し、大統領執務室を撮影したことは記憶に新しい。この事件が、韓国軍のドローン開発に弾みをつけてしまい、朝鮮半島がドローン戦争の最前線になるかもしれない状況を生み出してしまった。
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ペトラ・コスタ監督「ブラジル 消えゆく民主主義(Democracia em Vertigem)」(ブラジル、2019年)
2023/01/21 藤原章生ブラジル新大統領就任直後、「ブラジルのトランプ」と呼ばれる前大統領支持者たちが政府機関を襲撃した。これはどういうことなのか。あらゆる解釈を確認しようがない。疑わしい事実、印象論、イメージをモザイク状に積み上げたのがブラジル政治と言える。
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2023/01/17 田中実
世界の金融センターとしての役割を果たしてきた香港に、政治的なリスクだけでなく、為替機能でも不安定性が指摘されている。香港ドルと米ドルを実質固定するペッグ制が揺らぐ可能性があるのだ。一部の投資家による動きも現れている。その行方は?
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アダム・カーティス監督「Russia 1985–1999: TraumaZone」(2022年、BBC)
2023/01/05 藤原章生ウクライナ侵攻が続く中、なぜ、ロシア民は戦争に反対しないのか。旧ソ連、ロシアを知るには今という点だけを見てもわからない。そこで見たのが、英国のアダム・カーティス監督によるBBCドキュメンタリー、「ロシア1985–1999 トラウマゾーン」…
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記事で振り返る2022年(ウクライナ情勢編)
2022/12/30 吉田哲2022年は間違いなく歴史の転換点として世界史に刻まれる年になった。ロシアがウクライナへの侵攻を開始。停戦の見通しは今でもたたず、その影響は2国間だけでなく、世界に及んでいる。「第三次世界大戦」とも称される戦争はいかに始まり、どう動いてき…
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トビアス・リンホルム監督『グッド・ナース(The Good Nurse)』(米国、2022年製作)
2022/12/05 藤原章生善人はいる。悪人もいる。善人が小さな嘘をつくように、悪人にも微かな善はある。では、悪人はなぜ悪をなすのか。動機は何か。デンマークのトビアス・リンホルム監督による米国映画『グッド・ナース』は、見た者にそんな問いを残す作品だ。
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2022/11/30 伊藤弘太郎,増永真悟
今年7月のポーランドの〝爆買い〟を筆頭に、世界で韓国製兵器導入の動きが広がっている。防衛産業を振興するには積極的な輸出が欠かせない。日本はここから何を学べるか。
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2022/11/30 安田峰俊
習近平政権の硬直的な政策に不満を持つ富裕層が、水面下で日本へ移住し始めている。莫大な資産を持ち、公正な市場を望む彼らを、日本はどう受け入れ、生かすべきか。
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2022/11/10 樫山幸夫
米国中間選挙は予想外の接戦、なお最終決着をみていないが、早くも次の号砲が鳴ろうとしている。トランプ前大統領は11月15日にも2年後の大統領選に向け態度を表明するという。「大統領候補への起訴」を躊躇させようとの目論見が感じられる。
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2022/11/08 高橋一也
韓国・ソウルの梨泰院での雑踏事故を受けて、尹錫悦政権に暗雲が漂っている。ハロウィンを楽しもうと韓国有数の繁華街に集まった若者ら156人が死亡するという痛ましい事故に韓国社会が動揺することは理解できるが、なぜ政権に打撃を与えるのだろうか。
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映画『Well Fed』オランダ人制作者独占インタビュー
2022/10/29 堀川晃菜オランダで製作された映画「Well Fed」は遺伝子組み換え(GM)作物をめぐるドキュメンタリーだ。GM作物をめぐるコミュニケーション課題について制作者である監督と科学ジャーナリストの見解をもとに考えていく。
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2022/10/29 堀川晃菜
「Well Fed」。飽食の裏に潜む途上国の実態を映すその映画は、2017年にオランダで制作された。スクリーンに自ら登場する監督、カーステン氏は、ひょんなことで知り合った科学ジャーナリスト、ヒッデ氏と、遺伝子組み換え(GM)作物をめぐる探…
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マギー・ギレンホール監督「ロスト・ドーター(The lost daughter)」(米国、2021年)
2022/10/21 藤原章生映画「ロスト・ドーター」は、中年女性が若い母親と幼い娘を見て、過去に母親を全うできなかった悔恨を描く。冷戦終結や米同時多発テロなど国際社会が変化しようと、「母親の役割」が変わらないどころかより重くなっている様子が見えてくる。
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2022/10/13 田中実
香港が外国からの入境者に義務化していた隔離を廃止した。新行政長官へ就任した警察出身の李家超氏が中国政府のゼロコロナを推進したい思いに反し、経済が回らなくなっては経済が持たないとする財界からの圧力を受けた形が鮮明になった。
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2022/09/22 樫山幸夫
「カチンの森事件」にも劣らない残虐非道というべきだろう。ロシア軍によるとみられる拷問室がウクライナ各地でみつかり、集団墓地から市民を含む数百人もの遺体が掘り起こされている。各国からロシアによる侵略行為そのものを裁くべきとの声も出ている。
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2022/09/17 平岩俊司
小泉純一郎元首相が日本の総理大臣としてはじめて北朝鮮を訪問してから、9月17日で20年を迎える。しかし、5人の拉致被害者とそのご家族が帰国してからは、日本側が納得できるような進展は見せていない。拉致問題はなぜ解決しないのか、これまでの歩み…
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UltraRed社エラン・シュタウバーCEOインタビュー
2022/09/15 鈴木賢太郎2021年12月に日本に進出したイスラエルのセキュリティー企業「UltraRed(ウルトラレッド)」。日本政府の機関や大手通信会社は、すでに同社のセキュリティーシステムを導入しているという。エラン・シュタウバーCEOに、日本企業が備えるべ…
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2022/09/08 樫山幸夫
制裁に対するロシア側の報復が本格的に始まった。対露関係が冷却化するのだから、ここはむしろ、領土問題を中心とする対露政策を大胆に見直す機会にすべきだ。さしあたっては、「4島返還」という長年貫いてきた基本方針に回帰するチャンスだろう。
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2022/08/03 樫山幸夫
ペロシ米下院議長の台湾訪問に中国が強く反発し、米中関係は冷却化し緊張を増すだろう。ただ、緊張が激しいと伝えられれば伝えられるほど、不安が脳裏をよぎる。実のところ、過去に日本が煮え湯を飲まされた経験が何度かあるからだ。
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2022/07/13 樫山幸夫
ロシアに安保理常任理事国だけでなく、国連の正統な代表権がそもそもあるのか――という疑念が指摘されている。ソ連が崩壊、ロシアに権限が移行した際、国連の手続きがあいまいだったことが遠因で、ロシア、中国抜きの〝第2国連〟創設論も台頭している。
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