大阪万博、北欧パビリオンお披露目前のイベントはサンタクロース
12月4日、建設途上の大阪万博会場にて、北欧パビリオンが主催するお披露目前のイベントが開催された。北欧パビリオンのスポンサーの一社であるフィンエアーによるクリスマスツリーの点灯式、そしてフィンエアーを利用して日本を訪れたサンタクロースによるスピーチだ。
サンタクロースはフィンランド北部のコルヴァトゥントゥリ山やロヴァニエミを拠点としている。毎年クリスマスシーズンにはフィンエアーでアジア、北米、ヨーロッパをはじめ世界80以上の目的地を訪問し、クリスマスの意義と夢を伝える行事を40年以上に渡って行っている。
サンタクロースは「クリスマスとはただ1日のことを指すのではない。クリスマスという魔法を通じ、世界中の人々が協力しあい、喜びや笑顔を広め、文化を超えた感動を共有することを表す。世界中の人々が集う万博もまた、そうした世界の文化が触れ合い、理解し合う場になるだろう。この会場に来られたことを光栄に思う」とスピーチした。
北欧パビリオンのテーマ
協力、というのは北欧パビリオンのテーマの一つでもある。今回は「ノルディック・サークル」と呼ばれるパビリオンが5カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド)共同で出展する。文化的背景や歴史、人々の価値観などに共通点が多い5カ国だが、今回の万博出展を通し、相互の信頼と協力を高め合うことも目的の一つに掲げられている。
サンタクロースに続いてスピーチを行ったフィンランドのタンヤ・ヤースケライネン大使は、「パビリオンのメインテーマとなるのは信頼、協力だ。さらに北欧諸国が持つ、より良い未来に向かって世界をリードするテクノロジー、イノベーション、サステイナビリティの 3 つの分野での先進的な取り組みを紹介し、万博を通じて多くの人に知ってもらいたい」と語った。
北欧5カ国は全体で人口 2700 万人、GDP1兆 6000 億米ドルを誇るヨーロッパ第 5 位、世界第10位の経済規模を持つ。大使はこの地域について「世界で最も国境を超えた集約性の高い地域のひとつ」と表現。それぞれの国の特色を活かしながらも、全体として積極的なSDGsの推進などに関わる展示や製品などが紹介される予定だ。
万博は参加諸国にとって、ビジネス商談の場でもある。大使はフィンランドにとって日本は「アジアで(中国に次いで)2番目となる重要な市場だ」とし、日本は世界の中でも独立(1917年)後のフィンランドと早期に国交樹立した国のひとつであることも紹介。2016年には両国の間で「アジアと欧州におけるゲートウェイとしての日本国とフィンランド共和国との間の戦略的パートナーシップに関する共同声明」が発表された。