2024年7月23日(火)

デジタル時代の経営・安全保障学

2024年7月5日

 中国の国家戦略である「『データ要素×』3カ年行動計画」がいよいよ始動した。中国国家データ局など17部門が共同して今年1月5日に発表したもので、データを国家の戦略資源と位置づけた中国共産党第20回全国代表大会の決議を受けて、2024年から26年までの3カ年の行動計画を定めたものである。

「『データ要素×』3カ年行動計画」(筆者提供)

 「データ要素×工業生産」「データ要素×現代農業」「データ要素×商業流通」など12の分野にわたって、それぞれ実現すべき目標が述べられている。

 例えば、「データ要素×商業流通」を見てみると「新たな消費を拡大し、電子商取引プラットフォームがさまざまな商業事業体や関連サービス会社と深く統合することを奨励し、乗客の流れ、消費者行動、交通状況、人間性などの市場環境データに依存して統合されたデータ収集を作成します」とある。つまり通販で発生した購買データとカーナビの走行データとSNSから得られる「人間性」などのデータを全て統合してデータベース化するということだ。

中国のデータ戦略を実現するデータ3法

 中国政府はこの国家戦略を実現するために以前から法整備を進めてきた。いわゆる「データ3法」と呼ばれるものである。17年6月に施行された「中国サイバーセキュリティ法」、21年9月施行の「中国データセキュリティ法」および11月施行の「中国個人情報保護法」である。

 いずれも国家安全保障のために国内のデータは極力中国国内に留めおき、海外のデータは「自由なデータの流通」の名の下にデータ収集を可能とすることを原則としている。また、民間企業に対しては、強固なデータ保全を求め、違反した場合には行政罰および刑事責任を課すことができるとする一方で、中国政府すなわち中国共産党は自由にデータへのアクセスができるとしている。


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