2025年4月15日(火)

「永田町政治」を考える

2025年4月11日

 石破茂首相は4月2日、〝出勤〟前のあわただしい時間に国立国会図書館に立ち寄り、1時間ほどとどまった。

石破首相は国立国会図書館で何をしていたのか(つのだよしお/アフロ)

 「書籍の閲覧」と説明されているが、人と密かにあっていたのではないかとの憶測を呼んでいる。議事堂に隣接、利用者の出入りが少なくない施設での〝密談〟としたら大胆だが、灯台下暗しか、意外にも穴場であるらしい。

 政治家のひそひそ話の場としてだけでなく、国民や政策立案のために膨大な資料とサービスを提供する施設でありながら、その本質的な役割は意外と知られていない。存在に脚光が当たるかもしれない。

「書籍や資料の閲覧が目的」

 報道によると、首相はその日午前8時半過ぎ、首相公邸を出るとそのまま議事堂隣接の国立国会図書館へ向かった。「本や資料を読みたい」という首相の希望という。

 具体的に何をしたのかつまびらかではなく、それだけに「ほかの政治家と会っていたのではないか」「後半国会や夏の参院選に向けて想を練った」との見方がなされている(時事ドットコム、4月2日16時50分「石破首相、国会図書館に1時間超 自民から「のんき」批判も」)。

 「驚くほどのんきだ」という「自民党中堅議員」の辛らつな声も報じられている。新年度予算の成立でややほっとした首相の心の内も理解できなくもないが、まだまだ気を抜けない時期に、「本を読みたい」というのは、やはり酔狂にすぎるという指摘もあろう。 

石破首相が「立ち寄った」ことによって、国立国会図書館の存在が注目されている(西村尚己/アフロ)

 国会図書館は、一般利用者の出入りもあるが、首相訪問時は9時半の開館前だった。関係者限定の出入り口を通れば、そのまま、議員専用の閲覧室に入ることが可能だ。

 個室のほか、最大20人程度収容可能の共同研究室、政治家が出版した著作物を自由に閲覧できる議員著作文庫などが設けられている。

 「本や資料を……」というが、国会議員には、一般閲覧者とは違って、資料の貸し出しが認められているから、秘書を代理で派遣、希望する図書を取り寄せることもできた。忙しい時間帯に、議員著作文庫の〝立ち読み〟でもないだろうから、憶測を招くことになってしまったようだ。


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