ロシア軍と共にウクライナ軍との戦闘に参加した北朝鮮兵のうち、少なくとも100人が死亡したと、韓国の情報機関から報告を受けた国会議員が述べた。
李成権(イ・ソングォン)議員は記者団に対し、国家情報院から議会に報告があったと説明。北朝鮮兵の負傷者は1000人に上ると述べた。
また、死傷者には高官も含まれており、地形やドローン(無人機)戦に不慣れなことが原因のようだとした。
16日には米国防総省が、北朝鮮の兵士がウクライナ軍と戦って死亡したと発表した。北朝鮮がロシアの戦力強化のために兵士約1万人を派遣したことが10月に明らかになってから、死者が報告されたのはこれが初めてだった。
米国防総省のパット・ライダー報道官はこの際、死者数は示さなかった。翌17日には匿名の米高官が、「数百人」が死傷したと話していた。
BBCは、一連の発表を独自に検証・確認できていない。
北朝鮮兵らは戦闘経験がなく、ロシアで数週間訓練を受けてから、支援任務に就いたとみられている。
北朝鮮兵の死傷者が出たのはロシア西部クルスク州とみられている。ウクライナは8月に同州を奇襲侵攻して以来、一部で占領を続けている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、ロシアがクルスク州で「かなりの数」を攻撃で使い出したと述べた。
一方で、ロシア軍がここ数カ月で前進しているウクライナ東部など、ウクライナ領内には入っていないとみられている。
追加派兵の可能性も
韓国の李議員は、北朝鮮ではロシアへの追加派兵の準備が進められているとの報告があり、最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が訓練を監督する可能性があると述べた。
李議員はまた、情報当局筋の話として、「不慣れな戦場環境の中で、北朝鮮部隊が使い捨ての前線突撃部隊となっていることや、ドローン攻撃への対応能力が不足していること」が、多くの死傷者が出ている原因だと述べた。
「ロシア軍内では、北朝鮮軍がドローンについての知識が不足しているため、資産というよりもむしろ負担になっているとの不満が出ている」
ロシアも北朝鮮も、北朝鮮からの部隊派遣を認めていない。しかし、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は19日、両国の同盟が「アメリカと西側諸国の悪意ある影響拡大を抑止している」との声明を発表した。
(英語記事 At least 100 North Koreans dead in Ukraine war, says South