故安倍晋三氏の昭恵夫人が、ドナルド・トランプ次期大統領と会談するというニュースだが、アメリカでも報道され始めた。特にリベラル系のCNNで、ここ数年急速にメインキャスターの地位を獲得しつつある、ケイティアン・コリンズ氏がXにポストした短信(日本時間、13日の午前9時11分ポスト)は、急速に閲覧やリポスト数を伸ばしている。
コリンズ氏は、トランプ氏の側近筋の情報として12月15日の日曜日に、フロリダ州のマー・ア・ラゴにあるトランプ邸で、安倍昭恵氏との私的な夕食がセットされており、そこにはメラニア夫人も同席すると伝えている。事実関係だけのポストだが、日本事情に知識の薄い読者のことを考えて、安倍晋三氏が暗殺されたこと、その後もトランプ氏は昭恵夫人のことを心配して、折に触れてコンタクトをしていたことなどを併せて報じている。
政治通が注目
基本的にリベラルであり、かつてはトランプ氏や支持者に対して、厳しい追及を行っていたコリンズ氏であり、彼女のフォロワーは圧倒的にリベラルが多いことも事実だ。けれども、92年生れで32歳と、Z世代よりほんの少し上ということもあって、現在のコリンズ氏は、より柔軟に「二期目のトランプ」に向かい合う、つまり上の世代のリベラルとは違って、事実を中心に新たな現実に向かい合う姿勢を取っているとも言えるだろう。
コリンズ氏のポストに付いているコメントを見ると、そこには多少の幅がある。まずトランプ氏の熱心な支持者については、「安倍晋三氏はやはりトランプ氏の本当の心の友だった」のではという印象を持っているようだ。つまりトランプ氏と安倍氏の友情を支持者として賛美するという表現が見られる。
中には、安倍氏が不幸な亡くなり方をしたということを踏まえ、まるで映画「スター・ウォーズ」シリーズで、死後もジェダイの騎士が魂としてホログラムのように登場するかのように合成写真を作ってポストしている者もいる。面白いのは、トランプ氏が自家用ジェットの機上でイーロン・マスク氏や、ロバート・ケネディ・ジュニア氏といった側近と撮影した写真の背後に安倍氏の魂が微笑んでいるような合成イメージが繰り返し出回っていることだ。
一方で、リベラル派の匂いのするコメントとしては、事実関係だけを説明しているものが多いが、基本的には彼らも安倍昭恵氏との会談を肯定的に受け止めているようだ。これは、第一次トランプ政権の時代に、当時は日本国首相であった安倍晋三氏の言動が、アメリカの政治通の間では注目されていたことの反映である。