2025年3月16日(日)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2025年2月12日

(Evgeny Gromov/gettyimages)

 中国商務省と税関当局は、2月4日に国家安全保障上の利益保護を理由として、タングステン、テルル、モリブデン、ビスマス、インジウムの5種類の金属の輸出規制を実施すると発表した。

 このニュースを受けて、私の過去の経験を振り返りたいと思う。尖閣諸島問題からレアアースの輸出禁止までヒートアップした事件を思い出した。

 トランプ大統領と習近平主席の米中貿易摩擦の先行きは益々不透明感を増している。

「中国がレアメタル資源確保を外交利用する根本的理由は何か?」

「なぜ中国はレアメタル資源にこだわり続けるのか?」

 こういった疑問が筆者の元に寄せられている。それに答えるために、以下に私の考えを述べる。

 中国は、長い歴史を経て、世界の中で大国としての地位を確立してきた。その過程において「資源」は常に重要な要素として位置付けられている。

 特に近年、中国は資源確保に一層力を入れており、その背景には「中華思想」と呼ばれる独自の理念が存在する。中華思想は、単なる文化や価値観にとどまらず、大国としての条件を満たすための戦略的な枠組みを提供し、資源へのこだわりを支えている。

資源の重要性と中国の歴史

 中国の歴史を振り返ると、資源の確保は常に国家の存続や発展に直結してきた。古代から今に至るまで、農業、工業、軍事など、あらゆる分野で資源は必要不可欠な要素だ。

 例えば、農業の発展には肥沃な土地と水源が必要であり、工業の成長には鉱物資源やエネルギーが欠かせない。また、軍事においても、兵器や防衛に必要な資源の確保は国家の安全保障を左右する。


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