イラン戦争の長期化により、湾岸諸国からの石油調達に支障が生じる一方、日本は発電や都市ガスの燃料となる天然ガスの輸入を維持できている。火力発電に不可欠な燃料を日本へ安定供給しているオーストラリアの存在があるためである。
しかし、オーストラリアでは東部地域の天然ガス不足を背景に、液化天然ガス(LNG)輸出管理を厳格化する動きが加速している。これが日本へのエネルギー供給にどのような影響を及ぼすのかが注目される。
日本のエネルギー政策を支えるオーストラリア
日本のエネルギー政策は、福島第一原発事故以降、火力発電が重要な役割を果たすようになっている。経済産業省資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」によれば、24年度の発電比率では、ガス火力が総発電量の32%、石炭火力が28%を占める。
日本の火力発電に欠かせない燃料を安定的に供給しているのが、オーストラリアである。 日本の一般炭輸入においてオーストラリアが第1位の供給国である。
天然ガス輸入に関しても、オーストラリアは日本にとっての最大調達先である。日本のオーストラリアからの輸入量は、10年の1395万トン(総輸入量の19.9%)から、22年には過去最高となる3075万トン(42.7%)にまで拡大(図表1)。25年においても2581万トン(39.7%)を記録している。

