4月1日のトランプ大統領の演説は拍子抜けだった。新しい情報も提案もなく、多くのメディアが予想した一方的勝利宣言による終戦もなかった。
ホルムズ海峡の完全開放は見えないままだ。投資家は演説開始後すぐに終戦の兆しもないと気が付き、演説中から原油価格は上昇し、株価は下がった。
何を目的とした演説だったのか。勝っていると自慢するだけの演説だったのだろうか。終わりの始まりへの期待は見事に裏切られた。
日本が関係する船舶2隻がホルムズ海峡を通過したニュースはあったが、イランとホルムズ海峡の通過について、合意したと報じられた国の中に日本は見当たらない。合意した国のホルムズ海峡を通過した船舶数も限られている。
日本関係の船がスムーズに通過できるかは、まだ分からないし、海峡を巡る事態はさらに混乱している。
4月4日(土曜日)に、トランプ大統領はSNS(Truth Social)に投稿した。「イランに10日以内に合意するか、ホルムズ海峡を開放するよう命じたことを覚えているか? 時間は刻々と過ぎている。あと48時間で地獄の業火が彼らに降り注ぐだろう。神に栄光あれ!」。
期限は、米国東部時間6日(月曜日)夜、日本時間7日(火曜日)朝だ。また脅しだろうか。あるいは、本気だろうか。
トランプ大統領は、4月5日(日曜日)に再度SNSに罵詈雑言に近い言葉使いで、「火曜日はイランの発電所と橋の日になる。いまいましいホルムズ海峡を開放しろ。さもなければ、地獄に落ちるぞ」と投稿した。相当に焦っているのだろうか。
いずれにせよ、ホルムズ海峡が正常に戻るには、まだ時間がかかる。海峡が実質的に閉鎖されている1カ月の間、天然ガス、ガソリン、軽油、航空燃料、石炭、肥料、ナフサと化石燃料と関連物資の価格上昇が続いている。
タイ政府は公務員に在宅勤務、階段の利用、海外出張禁止を指示した。ミャンマーはガソリンスタンドの給油の制限を始めた。中東依存度が高いアジアの国は消費の抑制対策を始めた。
エネルギー価格高騰の対策も取られている。欧州ではオーストリア、ポルトガルなどが燃料税を引き下げた。ハンガリーなどはガソリン価格に上限値を設定した。
やがて、電気料金、ガス料金、航空運賃、海上運賃、輸送費が上がり、食品など多くの商品に影響が波及していく。日本も値上げの夏に直面する。
