イランによるペルシャ湾岸地域での軍事行動による、日々大量の石油や液化天然ガス(LNG)が通過するホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥っている。国内外では、ホルムズ海峡をどのように通過するかといったことに注目が集まっている。
しかし、イランの報復攻撃は湾岸各国の石油・ガス施設にも及んでいる。攻撃の被害が拡大すれば、たとえホルムズ海峡の通航が再開されたとしても、湾岸諸国からの石油・天然ガス供給が中長期的に停滞することが懸念される。
イランによるエネルギー施設攻撃の傾向
イランは米国・イスラエルから攻撃される度、報復として湾岸諸国に対するドローンやミサイル攻撃を強めている。
標的となったのは、まず各国の石油製品を生産する製油所である。サウジアラビアでは東部のラアス・タヌーラ製油所と西部のサムレフ(SAMREF)製油所、クウェートではミーナー・アル・アフマディー製油所とミーナー・アブドッラー製油所、アラブ首長国連邦(UAE)ではルワイス製油所、バーレーンではシトラ製油所が攻撃対象となった。
次にガス施設として、カタールのラアス・ラファーン工業都市にあるLNG生産施設や、UAE南部のシャー・ガス田およびハブシャーン・ガス施設も攻撃対象となった。さらに、イランはホルムズ海峡の外側、すなわちインド洋側に位置するUAEのフジャイラ港やオマーンのドゥクム港およびサラーラ港にある燃料タンクも攻撃した。
こうしたイランによるエネルギー施設への攻撃には、一定の傾向がみられる。第一に、自国で攻撃を受けた施設と同種・同規模のエネルギー施設を標的にしている点である。
