2026年3月27日(金)

教養としての中東情勢

2026年3月27日

 イラン戦争は開戦から4週目に。トランプ大統領は3月26日、イランの発電所攻撃を「4月6日午後8時」まで再延期すると発表し、終戦に向け舵を切った。早期に戦争を収拾したいトランプ氏がイラン側に最後通告した格好だ。

(AP/アフロ )

 米国はこれに先立ち終戦に向けた15項目の要求を突きつけ、イランは攻撃・暗殺の完全停止などを逆提案した。双方の“チキンレース”が当面続く。

幕引きに強引なこじつけ

 トランプ氏の言いようはまたも唐突だった。大統領は開戦以来、「無条件降伏を要求する」「戦闘すぐは終わる」などと戦争の行く末について二転三転させてきたが、3月21日には「イランがエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖を48時間以内に解除しなければ、発電所を攻撃する」と一方的に通告した。

 だが、その2日後、イランと「生産的な対話」を進めていると主張し、発電所攻撃の「5日間延期」を一方的に表明。「双方が主要な論点で一致している」とし、協議がさも軌道に乗っているかのように話した。この時点までに終戦に向けた15項目の要求がパキスタンを通じてイラン側に通知されたという。

 しかし、イランが米要求を拒否し、逆提案したことが分かると、今度は4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)まで発電所攻撃を延期すると発表、イラン側に和平協議に入るよう最後通告した。トランプ氏はこれまでの攻撃でイランの指導部が一変、新たなグループが統治しているとして、当初の目標だった「体制転換」がすでに起きていると強引にこじつけて見せた。

 米国の軍事的目標が達成しつつあることを強調し、戦争の幕引きを図ったようだ。トランプ氏は戦争に踏み切った際、短期決戦でイランの政権転覆を狙った。長期化すれば、ホルムズ海峡の封鎖という事態になりかねず、原油やガソリン価格の急騰で中間選挙に敗北することを恐れたからだ。

 しかし、現実は懸念した通りの展開になった。イランが米軍基地のあるカタールなどの湾岸産油国に報復攻撃。「攻撃するとは思わなかった」とほぞを噛んだ。
石油や天然ガスは40%も高騰。大統領の支持率は36%(ロイター)と最低に。戦争を遂行する大統領としては史上最悪の支持率だ。このため大統領は急きょ、戦いの縮小に向けて方向を転換させなければならなかった。


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