小泉進次郎防衛大臣が主役になったアジア安全保障会議(シャングリラ会合)だったが、韓国の安圭伯国防部長官も孫子の兵法を引用して、抑止力強化とホルムズ海峡など域外安保への取り組みを表明した。安全保障で韓国の位相を高めるファクタである防衛産業では、国防半導体法の公布手続きが進み、兵器輸出大国としての地歩をさらに固めた。
シャングリラ会合で韓国は何を伝えたのか
シンガポールのホテル「シャングリラ」で毎年開かれるシャングリラ会合の第23回会議が5月29〜31日に開かれ、44カ国から閣僚級代表54人らが参集した。英国の国際戦略研究所(IISS)が主催するこの会議は2002年に始まった。冷戦後も安定した対話の場を欠いていたアジアで、今や域内最大の安保外交フォーラムとして定着し、「アジアのダボス会議」とも称されるほどの存在感を持つに至っている。
韓国からは安圭伯国防部長官が出席し、全体会合で「同盟と自主国防の強化を並行して進める」と宣言。北朝鮮の核・ミサイル脅威への対処として「韓国型3軸体系」の高度化と、AI基盤の有・無人複合戦闘体系による「スマート強軍」構築を打ち出した。
孫子兵法「謀攻篇」を引用して、「戦う必要のない平和が最も確かな安保だ」と述べ、抑止力強化と南北対話の両立を目指す姿勢を明確にした。ホルムズ海峡の航行安全に向けた現実的な貢献策を検討中とも言及し、朝鮮半島の枠を超えた安保課題にも向き合う意志を国際社会に示した。
また訪問中には米国・日本・豪州・ノルウェー・フィリピン・タイなど主要国との国防大臣会談も精力的にこなし、防衛産業協力の拡大についても幅広く議論した。
会議の合間には安長官、米国のヘグセス国防長官、小泉進次郎防衛相の3者が顔をそろえ、日米韓の安保協力を改めて確認した。その小泉防衛相は全体会合で、中国国防大学の教授が日本の防衛力強化を「新型軍国主義」と批判したのに対し、核兵器も戦略爆撃機も持たない日本がなぜそう呼ばれるのかと問いかけ注目を集めた。
中国の董軍国防相は欠席し、大学教授を送り込むにとどまっている。閣僚を出さずに批判だけを続ける姿勢は、多くの参加国に奇妙に映ったに違いない。

