世界に誇る日本のマンガは文化として、市場として大きな力を持っている。ただ、それは、楽しむだけのものでなく、様々な学びを得ることもできる。
ビジネスパーソンとしての考え方から人生をどう生きるか、国際情勢の見方まで、MANGAから視点を得る記事5本を紹介する。
<目次>
なぜ戦争はなくならないのか『進撃の巨人』から考える(2022年5月26日)
ゴルフからKPI、セルフマネジメント、若者との付き合いを学ぶ 『オーイ!とんぼ』の「人間的成長」(2024年3月2日)
現代型サッカー漫画『アオアシ』を絶対に読むべき理由(2022年3月27日)
松下幸之助に通じる「内観」『スキップとローファー』(2024年2月24日)
『ドラゴンボール』長期連載に見る、価値観の変遷(2023年1月14日)
なぜ戦争はなくならないのか『進撃の巨人』から考える
「なぜ世の中から戦争が無くならないのか」
よく問いかけられるこの疑問に、秀逸な筆致で答えてくれたのが『進撃の巨人』(諫山創、講談社)といえるだろう。無類の漫画好きで、何千作品と目を通してきた筆者であるが、個人的マイベストに君臨していた『寄生獣』(岩明均、講談社)を抜き、生涯ベストと評価する作品に躍り出たのが、この『進撃の巨人』であった。
連載開始当初は、「巨人が人を喰らう」という衝撃的なシーンの連続で漫画界に激震を走らせたが、物語が進むにつれ、単なるショッキングなだけの作品というわけではないことが徐々に判明してくる。作り込まれた世界観や設定、世界の歴史、個々のキャラクターの想いや個性等々、非常に重厚長大な作品だったことが分かってくるのだ。
そんな本作が教えてくれるのは、信念とは人それぞれであり、事実では人は変えられないこと、それが世の中から戦争がなくならない理由である、ということだ。
以下、解説に当たって『重大なネタバレ』を含むため、衝撃を初見のままに味わいたい方は、ここで読み進める手を止めていただきたい次第である……
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ゴルフからKPI、セルフマネジメント、若者との付き合いを学ぶ 『オーイ!とんぼ』の「人間的成長」
そんな中村天風の著書を愛読書にしているのが、MLBにて二刀流で活躍する大谷翔平であり、その恩師たる栗山英樹(前日本ハム監督)氏は、2017年11月の大学講義でこう述べた。
「外にもヒントはいっぱいある。そこから得られる感性がないと成長していかない。人として成長できれば、野球は絶対にうまくなる」
つまり、スポーツでもなんでも、その専門領域についてのみ勉学して向上を図るのでなく、
幅広い分野から知見と経験を得て、「人間としての成長」を図ることが最も重要であるということだ……
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現代型サッカー漫画『アオアシ』を絶対に読むべき理由
息をつかせぬ怒涛の展開、毎巻ごとにクライマックス、『スラムダンク』(井上雄彦、集英社)以来の衝撃……。そんなことを感じさせるのが、現代最高峰のサッカー漫画『アオアシ』(小林有吾、監修・飯塚健司、小学館)だ。本連載でも、合理的に思考する現代では、科学的なスポーツ漫画が増えてきた旨を紹介した。本作はその最高潮だ。
「超」リアルに現代サッカーを描き出し、さらに発達心理学に基づいた、人の変容と成長を「具体的に」描く。筆者がまさに読者の皆さんに、本作品を通して学んでいただきたいのはここだ。
実は近年、発達心理学をベースとした「成人発達理論」というものが、急速に広がってきている。これは2001年にロバート・キーガン氏が『自己変革の心理学』という論文を発表したところから始まり、その元祖たる米国では、大企業の経営や人材開発といった分野でかなり利用されているのだ……
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松下幸之助に通じる「内観」『スキップとローファー』
近年、世界のビジエスリーダーたちの間では、「マインドフルネス」により自分の内面を見つめ直すことが盛んに行われている。元々はスティーブ・ジョブズが日本の「禅」の思想に感銘を受け、取り入れたことが一つのキッカケと言われており、実は東洋人が自然と受け継いできたものなのだ。
マインドフルネスの効果効用は、さまざまな角度から説明されるが、筆者としてはパナソニック創業者の松下幸之助の「自己観照(じこかんしょう)」と同等である、という点を強調したい。
「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助は、パナソニックをたった一代で築き上げ、1956年には「5年間で売り上げを4倍にする」という計画を、前倒してたった4年で実現している。このような偉業を達成できた理由の一つが、同氏が最重視した自己観照なのだ。
松下幸之助は、自己観照を以下のように説明している……
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『ドラゴンボール』長期連載に見る、価値観の変遷
価値観は、時代に合わせて変遷する。マンガからは、こうしたことを読み取ることも可能なのだ。この半世紀での例を見よう。
『あしたのジョー』(高森朝雄、ちばてつや、講談社)や『北斗の拳』(武論尊、原哲夫、集英社)が描く、暴力・支配や勝利の時代。
『セーラームーン』(武内直子、講談社)が描く、世の中の秩序を維持する時代。
『ONE PIECE』(尾田栄一郎、集英社)や『NARUTO』(岸本斉史、集英社)が典型的な、自由を謳歌し夢に向かって走る時代。
本連載でも扱った、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴、集英社)や『呪術廻戦』(芥見下々、集英社)が描く、相互理解や融和の時代……
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