2025年には「財務省解体デモ」などが各地で行われた。また、昨今では「財務省が裏ですべてを牛耳っている」といった陰謀論や批判がSNSなどにあふれている。
しかし、財務省を解体したり、悪者にしたりすることで何かが変わるのだろうか。
そもそも、憲法41条に国会を「国権の最高機関」として定め、予算は86条により内閣が作成し、国会の審議・議決を経る仕組みとなっている。財務省が政策や予算を最終決定しているわけではない。同省は専門的知見に基づき、判断材料を示し、決定された方針を行政として執行する立場だ。
一方で、財務省には国の「金庫番」として、財政規律を維持する責務がある。そのためには、我が国の財政状況の〝真実〟を逃げることなく国民やメディアにしっかり伝えることも重要な仕事の一つだ。昨今では、ユーチューブでの解説動画をはじめ、公式noteを開設し、片山さつき財務相らが出演するなどして情報発信に力を入れている。理解を得るためには重要な取り組みである。
しかし、財務省の「広報」だけでは足りない。政治家は聞こえのよい減税論を掲げるだけではなく、厳しい現実を説明し、有権者に判断を求める責任がある。
そして、国民側も財政問題から目を背けるのではなく、将来世代のことも見据え、負担と給付のあり方を考える必要がある。

