2026年9月5日(土)

オトナの教養 週末の一冊

2026年9月5日

今月号は、財政・金融をテーマにした書籍を選びました。
簡単な分野ではないですが、今この国で何が起きているのか知ることができます。

財政と民主主義

消費税と政治 財政再建をめぐる理念と思惑 上川龍之進 有斐閣 3630円(税込)

 日本の政治家がどのような動機で財政再建に挑んできたのかを検証していく。そこには、財源対策だけでなく、政権維持、選挙対策といった思惑がある。そもそも、財政再建とはある意味で国民に不人気な政策でもある。それでも、財政再建に政治家が取り組むためには、国民の「被害者意識」を修復するしかない。「どこかに無駄遣いがある」「誰かが得をしているはず」という意識を変え、応分の負担を受け入れるようにさせることこそが、日本最大の政治課題だと指摘する。

ぼんやりとした不安

令和ファシズム論 極端へと逃走するこの国で 井手英策 筑摩書房 2200円(税込)

 ファシズムとは人々の「不安」が形となったものだ。不安が高まると、左右の思想が溶解し、理念よりも「極端主義」がはびこるようになる。従来の善悪、道徳が無視されるようになると、「所得、国防、無駄をなくす」といった「最大公約数」が掲げられ、国外に敵を求めたり、ルールがおざなりにされたり、冷笑主義がまん延し、そこに歪んだ連帯が生まれる。財政史の観点からこうした動きを繰り返さないようにする方策を考えていく。


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