2025年12月20日(土)

オトナの教養 週末の一冊

2025年12月20日

 年末が近づいてきました。1年がたつのはあっという間ですね。2025年に発売された書籍をピックアップしてみました。

トランプ2・0の衝撃

トランプのアメリカ 内政と外交、そして世界
佐橋 亮(編)、梅川 健(編)
東京大学出版会
2970円(税込)

トランプのアメリカ 内政と外交、そして世界 佐橋 亮(編)、梅川 健(編)東京大学出版会 2970円(税込)

 「トランプ2・0」が始まってからまだ1年がたっていない……。今年1月からの変化を考えると、これから何が起こるのか予測することは難しい。しかし、「トランプは原因ではなく結果」ということが一部で言われているように、これは米国社会が変遷してきた姿でもある。「トランプ2・0」がどのようにして生まれたのか、関税政策のあり方、宗教勢力との関係性など、多面的にぞれぞれの分野の研究者がトランプ政権について考察していく。

闘争は現在も続く

成田の乱 戸村一作の13年戦争
牧 久
日本経済新聞出版
2640円(税込)

成田の乱 戸村一作の13年戦争 牧 久 日本経済新聞出版 2640円(税込)

 成田空港の建設とそれに伴う反対運動は、60年たつ現在も終わっていない。この問題が生じた当時、「三里塚空港反対同盟」の委員長を務めた戸村一作は熱心なクリスチャンで、当初は自らの信仰を貫くために戦う決意を固めたという。しかし、自身の負傷や数々の闘争をへて、戸村がより急進的に、戦闘的に、そして純粋になっていく過程が描かれる。三里塚の農民と旧満州(中国東北部)との関係や、どのように過激派学生と合流していったか、その経緯がわかる一冊だ。


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