梅雨は嫌という人も少なくないと思いますが、農作物には大事な季節でもあります。雨の日でも楽しく読むことができる一冊を選んでみました。
もう一つの姿
フットボール・マネー 資本主義と権力闘争のゲーム ミゲル・デラニー(著)、 山中拓磨(訳) 平凡社 3960円(税込)
米・加・墨共催のサッカー・ワールドカップが開催中だ。本書は英国人ジャーナリストが国際的なサッカー業界のもう一つの姿を描き出した。UEFAチャンピオンズリーグをはじめとして上位に食い込むのは同じチームばかりで、有力チームには中東産油国や、大リーグ・LAドジャースのオーナーなどが名を連ねる……。興行として成功することは否定されることではないが、サッカーを愛するがゆえの問題提起という著者の思いが強く伝わってくる。
江戸時代の異文化交流
文政2(1819)年、沖永良部島での職務を終えた薩摩藩士3人を含む総勢25人を乗せた船は、薩摩に帰国しようとしたが、漂流して朝鮮国に流れつく。朝鮮国の役人からは、上陸を許可されず、人員や積み荷の確認を何度もさせられる。それでも、筆談し、漢詩を交換し、酒を酌み交わす中で友情が芽生えはじめるが、中央から融通が利かず、袖の下を求める役人がやってくる。果たして無事に帰国することができるのか。現代に通じる「煩わしさ」に共感できる。
