少子化と人口減少が進む日本において、近頃、重要な人口統計が二つ公表された。
第1は、5月末に公表された2025年『国勢調査』の人口速報集計である。この統計は、調査時点における日本の人口規模を確認するための、いわば人口の現状把握のための「棚卸し調査」である。
この結果によれば、日本の人口は、5年前の20年国勢調査時の1億2615万人から約310万人(約2.5%)減少し、1億2305万人に縮小した(図1)。これは、約35年前に当たる1990年国勢調査時の水準を下回る。
減少した約310万人という規模は、広島県の総人口(280万人)や京都府の総人口(258万人)を上回る。この比較からも、人口減少のインパクトの大きさを確認できる。
地域別の人口減少
この速報では、全国だけでなく都道府県別の人口状況も示されている。全国の人口変化率は△2.5%であったが、都道府県別にみると、各地域が一律に2.5%減少したわけではない。
結論を先に述べれば、東京都と沖縄県を除く45道府県すべてで人口が減少し、そのうち38道府県で2.5%以上の減少率となった。減少率が最も高かったのは秋田県であり、8%を超えた。
表1では、減少率の上位4県がすべて東北地方に属し、第6位にも福島県が含まれている。東北地方における人口減少は、日本の中でも特に深刻であることがわかる。
(出所)表1に基づき筆者作成。赤色:人口増加。黄色:人口減少ではあるが全国平均との差が比較的小さい地域。青色:全国平均を上回る減少率の地域。水色:減少率が5%を超える地域。 写真を拡大
全国で人口減少が進む中、図2に示す通り、東京都と沖縄県のみ人口増加(赤色)となっている。ただし、東京都と沖縄県では人口増加の構造が大きく異なる。その違いを検討する上で重要となるのが、次に取り上げる人口動態統計である。


