新年度が始まりますね。世界に目を向けて、話のタネにしてみてはいかがでしょうか?
カローラで365日
アメリカ 崩壊の地をゆく 國枝すみれ 毎日新聞出版 2090円(税込)
「カローラを駆って365日、トータル2万6000キロ。素顔のMAGAに会ってきた!」。現役の毎日新聞記者が、自ら中古車を購入し、全米を駆け巡り、MAGAや米国の今の実像に迫る。こうした取材姿勢こそ、まさに記者の真骨頂ともいえる。実はMAGAの人々も普通の市民であるということがよく分かる一方で、分断が続く中、本書の最終章では「内戦へのカウントダウン」というタイトルが付けられている。米国の現在、そして未来を知るための一冊だ。
今日にも続く移動の歴史
凍てつく川を越えて逃げる スターリン体制を逃れた ウクライナのドイツ人 鈴木健夫 亜紀書房 2970円(税込)
本書は非暴力・無抵抗を掲げるキリスト教メノー派が、自らの信仰を守り抜くため、18世紀末から移動した歴史をひもとく。彼らは西プロイセン(現在のポーランド)から移動し、当時ロシアだったウクライナ南部にとどまり、圧政などの理由から、中国や米国、ブラジルなどに移動した。メノー派でドイツ人難民のヤコブ一家が、ロシアから中国へと渡る際、凍ったアムール川を越えて逃げる場面は緊張感が走る。その後、米国に向かう際に日本の神戸港を経由した話も興味深い。
