2026年6月15日(月)

経済の常識 VS 政策の非常識

2026年6月15日

 不安定な中東情勢を背景に、ナフサ不足が心配されている。これに対し政府は「全体量は確保されている」としており、「流通の目詰まりの問題だ」と主張している。

(NATALIA KHIMICH/lchumpitaz/Lazartivan/gettyimages)

 高市早苗首相は小規模事業者などにも行き渡るよう、目詰まり解消に取り組むことを関係閣僚に指示した。しかし、国があらゆるナフサ関連製品の目詰まりを是正させることはできるのだろうか。

石油製品とナフサ

 原油からは複数の石油製品(ガソリン、灯油、軽油、重油など)がある程度の割合で同時に生産されるという特性があり、精製すると、ナフサが9.5%、ガソリンが31%、軽油24.5%などの製品割合となっている(石油連盟HP>製品関連 | 連産品)。この比率が需要とうまく合わない時は、それぞれを輸出と輸入で調整していた。

 ナフサを分解すると、プラスチック、合成ゴム、合成繊維、塗料、シンナーの原料を作ることができる。これらがさらに他の材料と組み合わさって、包装袋、ゴム製品、塗料、断熱材、電子部品といった様々な製品になっていく。

 原油もナフサも輸入しているが、輸入先によって得られる製品の比率が異なる。だから、原油精製工程で比率を多少変えることはできるが、全体の量が足りていても、個別に足りるかは分からない。

 さらに、ナフサを分解して得られる成分の中には、塗料、インク、シンナー、接着剤などの原料となるトルエン、キシレンなどがある。トルエン、キシレンは、ガソリンのオクタン価を高める添加剤として用いられている。だから、シンナー原料をガソリンに回してガソリンの比重を多少高めることも出来る。


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