著者紹介

〈れいわと国民民主の大躍進の意味〉「手取りを増…

衆議院選挙で、国民民主党が議席を4倍、れいわ新選組が3倍と躍進した。なぜそうなったのか。彼らが示した公約は達成可能なのだろうか。両者の経済政策から見てみたい。

【衆院選で並ぶ「最低賃金1500円」公約】私た…

衆院選の各党公約で、最低賃金1500円が目立っている。賃上げが物価高に追いつかないことから、賃上げ加速の一つの手段として最低賃金を上げようとしているのだろう。これですべての人の賃金が上がって皆が幸福になれるだろうか。問題は３つある。

〈石破茂新首相で経済は？〉自民党総裁選の“生煮…

自民党総裁選が終わり、石破茂氏が新首相となった。総裁選では、解雇規制の緩和が議論となった一方、「所得倍増論」はほとんど俎上に上がらなかった。最も長期間かつ候補者が多かった総裁選で政策議論は深まったのか、経済政策中心に振り返ってみたい。

＜検証＞自民党総裁選候補の9人の経済政策、日本…

自民党総裁選挙に９人が立候補した。争点として、裏金問題、外交安全保障問題が重要なことは承知しているが、ここでは一つ重要である経済政策について、各候補者の政策を論評したい。

【首相は国民が直接選ぶべきか？】「議論してきた…

自民党総裁選で、国民世論をより強く反映する党員票の方が、国会議員票よりも正しく国家のリーダーを選べるという論調があるようだ。一方、日ごろから議論する国会議員の方が正しいとの考えもある。国会議員が選ぶのと国民が選ぶのとどちらが良いだろうか。

＜世界的インフレは誰のせい？＞金融政策の失敗な…

世界的に高進したインフレ率の要因は雇用維持や需要喚起のために金融財政政策が過度に緩和的になったからであり、金融政策の失敗であるという声が出ているが、果たしてそうなのか。日本に対する教訓としても考えてみたい。

〈深刻な「大工」不足〉生産性向上や外国人労働者…

大工が足りないと言われている。2001年には60万以上いた大工が22年では30万人を割っている。この勢いで減っていくと、建設現場の人手不足は深刻化が避けられない。なぜ大工が減っていくのか。

＜都知事選のニュースはもう、うんざり…？＞多す…

東京都知事選で56人の立候補者が乱立し、言論を戦わせるという本来の機能が奪われている。都政に対する提案ではない、まったく関係のない主張の場にもなっている。規制することは言論や政治活動の自由から難しいというのだが、解決策もありそうだ。

〈“日の丸”製造の衰退〉補助金投じても過去の栄…

シャープがテレビ用の液晶パネル生産からの撤退を決めた。累積赤字は1.9兆円に及ぶ。かつて世界を席巻した日本の半導体も凋落し、政府は支援している。最先端らしいところで負けると、すぐさま、補助金を投入して生産になるのだが、正しい政策だろうか。

＜止まらぬ円安＞日本経済への影響は必須でも、そ…

円安が止まることを知らない。これに対し、「円安が貿易収支の赤字圧力となっている」との報道もなされているが、果たしてそうなのだろうか。円安の輸入に対する効果だけを考えるのは誤りで、輸出と輸入の両方を考えないといけない。

【コタツ記事がまん延する日本】これでは経済政策…

経済政策論議には、物価が上がればなんとか下げろ、円安になれば輸入物価が上がるからなんとか上げろと、ばらばらな政策目標を求める議論が多い。取材しない記事をコタツ記事というが、経済理論にもデータに依拠しないコタツ経済評論が多いのではないか。

〈震災から2カ月〉能登半島地震への支援策で国が…

東日本大震災では「復旧よりも復興」、その前の阪神淡路大震災では「創造的復興」という言葉が喧伝された。単に元に戻すのではなくて、新しいことをしなくてはならないという意味である。しかし、能登半島地震でこのような言葉は聞かれない。なぜか。

【脱・人口減決定論】人手不足は少子高齢化のせい…

人口減がデフレをもたらし、人手不足をもたらしているという人口減決定論がいまだ強い力を持っているようだ。今回は人口減と雇用状況を結び付ける議論を考えたい。人口減に伴う高齢化や社会構造の変化が雇用情勢の変化をもたらしているのかということだ。

医師不足解消は報酬ではなく周辺業務の開放しかない

2023年の年末は、診療報酬改定への議論が大詰めを迎えていた。医師会の「医療介護従事者への賃上げを行い、人材を確保することが不可欠だ」との主張で診療報酬が引き上げられたが、これで医師の人手不足解決へつながるのか。

実はゾンビ企業少ない日本 何が成長を妨げている…

低金利が、生産性の低いゾンビ企業を存続させ、結果、生産性も給料も上がらないという議論がある。しかし、この議論については、ゾンビ企業がどういう企業なのかということについての認識の誤りである。

ノーベル経済学賞受賞のゴールディン教授に学ぶこと

ノーベル経済学賞にハーバード大学のクラウディア・ゴールディン教授が受賞した。労働市場における女性の状況について研究し、男女の収入格差の要因は貪欲な仕事を求めるか否かによるとした。この「貪欲な仕事」を日本における問題として考えてみたい。

岸田首相は増税主義者か？減税転換が意外でない理由

増税主義者と思われていた岸田文雄首相が、にわかに減税を示唆して大騒ぎとなった。しかし、宏池会の創始者である池田勇人は、実は、減税主義者だった。また、昨今の税収状況を見ると、減税へ転換するのは当然のことである。

ASEAN経済成長の要因と見通しを加盟国ごとに…

東南アジア諸国連合（ASEAN）が1967年に発足して、56年たつ。各国は経済成長を遂げて、世界の重要な役割を担いつつある。国際政治の上でも重要であるが、本稿では、経済発展について考えたい。

ガソリン補助金は問題大ありの政策である経済的理由

エネルギー価格の高騰に対して、日本ではエネルギー関連の補助金で乗り切ろうとしている。この補助金は2023年9月末までで6兆円、12月まででさらに1.2兆円かかるようである。安易に補助金を支給し続けていて良いのだろうか。

GDP成長に比べ税収が高い日本 〝大増税時代〟…

税収弾性値、名目国内総生産（GDP）が1％伸びると税収が何％増えるかという値が問題になっている。政府は、税収弾性値が1.1であると頑なに主張しているが、最近の税収と名目GDPを使って素直に計算すると3.5になる。日本は増税している状態なの…