2025年11月17日(月)

経済の常識 VS 政策の非常識

2025年10月24日

 国民民主党の玉木雄一郎代表に対し、総理になる覚悟がなかったとか、ここぞという場面で判断を誤り、好機を逃すことを『玉木る』と言う揶揄がSNS上でなされている。しかし、筆者はそうとは思わない。負けたのは立憲民主党とマスコミだ。

(ロイター/アフロ)

 玉木代表は、一貫して、安全保障、エネルギー、憲法では基本政策の一致が必要だと唱えていた。安全保障とは集団的自衛権の行使、関連して敵基地攻撃能力を含む防衛費の増額への賛同である。エネルギーでは原発再稼働容認、憲法では第9条の中に自衛隊を位置づけることだろう。

 補正予算には防衛費が含まれないが、本予算では、防衛費増額予算が入っている。ここで造反されたら、内閣は持たない。来年3月には予算を通さないといけないから、10月に総理になっても半年も持たない。

 その程度の期間しか続かなかった首相はいくらでもいたのだからまあいいと言う人もいるかもしれないが、玉木氏はそんな首相にはなりたくないのだろう。3つの条件をクリアすれば、玉木氏にも首相になる覚悟はあったのだろう。

 トランプ大統領への対応が難しいという懸念もあったかもしれないが、誰がやってもうまくいかないだろう(高市早苗首相には、うまくやっていただきたい)。イギリスのスターマー首相は、英王室を使ってトランプをおだてるのに四苦八苦である。石破茂前首相は80兆円の対米投資の約束をしたが、中身が分からないのであまり批判もされていない。誰がやってもうまくいかないと思えば、できないことはない。


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