2025年12月7日(日)

経済の常識 VS 政策の非常識

2025年10月24日

 そもそも、日本維新の会は国民以上に安全保障、エネルギー、憲法にこだわっている。国民が立民に付いても過半数にならないのだから、維新も参加しなければならない。維新は、玉木氏に対する立民の反応を見ながら、これはダメだと思って自民党との連携を考えたのだろう。

維新の動きを読めなかった理由

 維新が自民党に付くのが分からなかったから玉木氏へ批判も向けられているが、マスコミも予想しきれていなかったのだから、そう批判する資格もない。マスコミが分からなかったのは、人脈が分かっても政策が分かっていないからではないだろうか。

 維新も安全保障、エネルギー、憲法では立民と相いれない。維新は前面にたって立民に要求しなかったが、立民が維新の藤田文武代表の名前ではなく玉木代表の名前を書くと言っていたのだから、後に引いていたのは当然だ。

 維新は自民党総裁選中から小泉進次郎陣営と話をしていたということだから、その条件はある程度知られていて、現在12項目として表に出ているものとたいして変わらないだろう。テレビなどに出演する政治評論家は「人脈、人が大事」と言うことが多いのだが、執行部で力のある人なら誰でも良いのではないか。

 かつて、宮沢喜一氏(首相在任1991年11月~93年8月)が、「私が言っても通らないんですが、竹下登(首相在任87年11月~89年6月)さんが言うと通るんですね」と言ったことがある。確かにその通りだろうが、必ず深い人脈がなければならないという訳でもないだろう。

 さらに、維新との連立は、高市早苗総裁主導で行われたらしい(「自民、連立へ迷走の2週間」日経2025年10月21日、芹川洋一「「権力への執念」維新引き寄せた高市」FACTA号外速報10月20日)。筆者は、こういうことは高市総裁の周りにいる「重鎮」と呼ばれる人たちの仕事だと思っていたのだが、高市氏自らこれをしてのけたのだ。

 これは総裁の党へのグリップを高める。自民党が与党でいるためには維新の協力が必要で、維新と一番話ができるのが総裁なのだからだ。かくて10月21日、高市首相が誕生した。


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