2026年1月30日(金)

トランプ・パワー

2026年1月30日

 第2次トランプ政権が発足してから1年が経過した。トランプ大統領のリーダーシップの下で、米国は一体どこへ向かうのだろうか。

2025年10月28日、横須賀海軍基地で米空母ジョージ・ワシントンに乗艦した日米両首脳(ANDREW HARNIK/GETTYIMAGES)

 米公共放送、公共ラジオおよびマリスト大による全国共同世論調査(2025年12月8~11日実施)によれば、37%が「正しい方向」、63%が「間違った方向」へ、米国が進んでいると回答した。「間違った方向」が「正しい方向」を26ポイントも上回った。同年3月の調査では、「間違った方向」が「正しい方向」を上回った回答は、9ポイント差であった。

 では、実際、米国はどの方向へ向かっているのか。その方向へ導いているトランプ氏に対して、高市早苗首相はどのように向き合い、対応していけば良いのだろうか。

「トランプマシン」
とは何か?

 昨年2月、筆者は首都ワシントンでヒアリング調査を行った。その時の対象者の一人で、牧師向けに多様性のトレーニングを実施している民主党支持者のプエルトリコ系米国人女性が、次のように語った。

 「トランプマシンが機能しています。民主党はメッセージ力で負けています。トランプの周りには扇動家たちがいて、真実を語りません」

 「トランプマシン」─それは専門家の中で語られていたが、ヒアリング調査の中で筆者は初めて聞いた。トランプ氏を取り巻く権力の中枢にいる側近たち(インナー・サークル)に加えて、インフォーマルな助言者や、トランプ氏を応援する新興の極右メディアなどが含まれる。

 彼らの共通目的は、トランプ氏のメッセージを米国民に拡散させ浸透させることによって、トランプ氏の権威を高めたり、支持を強化することである。

 例えば、筆者が参加した「米保守政治活動会議(CPAC)25」の年次大会では、側近のミラー副首席補佐官、ホーマン国境担当責任者、インフォーマルな助言者バノン元首席戦略官などが登壇し、MAGA(米国を再び偉大にする運動に賛同する人々)を煽り、移民排斥のメッセージを盛んに発信していた。トランプマシンには極右の陰謀論者として知られるルーマー氏のように、トランプ氏に対する忠誠心を監視する人物も含まれる。

 米メディアによると、彼女はホワイトハウスに出入りし、ワイルズ首席補佐官とコンタクトをとっている。ルーマー氏は、トランプ氏について忠誠心の低い発言をした政権内の人物のリストを作成し、トランプ氏やワイルズ氏に提供したり、彼女に上がってくる密告まがいの情報に基づいて、誰を解雇すべきか提言したりするなど、民主主義と自由主義を危険にさらしている。


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