2026年1月26日(月)

日本人なら知っておきたい近現代史の焦点

2026年1月26日

 トランプ大統領が、就任1年を迎える節目である1月20日に、二期目の1年間の成果について語る記者会見をホワイトハウスで行った。記者たちは、いつものごとく手柄について華々しく自画自賛する会見になるだろうと思って集まった。

(ロイター/アフロ)

 この会見は、多くのメディアが「マラソン会見」と報じる長いもので、質疑応答も含めて総計1時間40分以上に及んだ。大統領の独演の部分だけでも80分を超えていた。

 確かに自画自賛的な誇らしげな記者会見ではあったが、そこから透けて見えたのは、世論をコントロールし、司法をも自分の意図通りに動かそうとするトランプの意図であった。

最初に語ったことは…

 レビット報道官を引き連れて会見場に姿を現したトランプは、記者で埋め尽くされた会場の様子に上機嫌で、「たくさんいるな。新記録だ」などと話しながら演壇に立った。手には「業績」と書かれた分厚い紙の束を抱えていた。1年ということでトランプがここ一年で成し遂げたことがちょうど365項目にわたって書かれていた。

 ただ、まず語り始めたのは政権の業績についてではなかった。トランプは、ミネソタ州で移民・関税捜査局(ICE)によって逮捕された人々の写真と罪状が一人一枚カラーで印刷された手配書のような紙の束を持っていた。

 それを記者団に一枚一枚見せつつ、これは「麻薬の売人だ」とか「殺人者だ」「重武装してレイプ」「加重暴行」などと説明しだした。「こいつら全員ミネソタだ、ミネソタからだけだ」と何度も強調し「こんな奴らと住みたいか?」と問うた。「バイデンがこいつらを[米国内に]入れたんだ」と前政権を貶すことも忘れなかった。

 会見の口火を切るにあたりミネソタが選ばれたのはもちろん偶然ではない。先日、州内の最大都市ミネアポリスで、ICEの捜査官の発砲によって、市民のルネー・グッドさんが死亡しており、それを契機に、ミネソタ州知事やミネアポリス市長とトランプ政権が対立する事態に陥っている。ICEの発砲はやりすぎであるとの批判が強まっているのである。

 今回のトランプの会見冒頭のこのパフォーマンスは、いかにミネソタ州にICEの取り締まり対象となるべき危険な不法移民が多く集まっているのかということをわかりやすく示そうとするものであった。


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