トランプ大統領が、またグリーンランドを領有したいと言い出した。1期目の2019年に続き、2度目だ。前回は購入の打診だった。今回は、購入できないのであれば領有の方法として軍事行動の可能性も排除しないと強硬姿勢になっている。
グリーンランドを自治領として持つデンマークも、当事者のグリーンランド自治政府も「売り物ではない」として応じる気持ちはない。
領有したい理由は、米国の安全保障の強化だ。トランプ大統領は、「ロシアと中国の船がグリーンランド近海にはうじゃうじゃいる。米国が占有しなければ、ロシア、中国に占領され安全保障が損なわれる」と発言しているが、実態はずいぶん違うようだ。
前回トランプ大統領がグリーンランド領有を持ち出した際には、実際に中国企業がグリーンランドに進出し、関係を深めていた(『トランプ大統領が何と言おうと、中国に頼るグリーンランド 世界のレア・アースを握る中国 影響は日本にも』)。
しかし、グリーンランド自治領政府とデンマーク政府は、トランプ大統領の提案後米国との関係を考慮したのか、インフラ開発から中国企業を排除するなど中国との関係を薄める努力をしたようだ。欧州からの報道では、今グリーンランドと中国との関係は希薄になり、近海に中国とかロシアの船舶が多い事実はない。
ではなぜグリーンランドが必要なのだろうか。米国は19世紀からグリーンランドを購入したいとデンマークに提案したことが何度かある。世界最大の島グリーンランドが安全保障上重要な地理的位置を占めているからだ。
トランプ大統領は、自身が25年5月に提案した早期警戒防衛レーダシステム「ゴールデン・ドーム」にとりグリーンランドは重要と主張している。
実は、軍事上もう一つ重要なのは、レアアースのサプライチェーンの確保だ。グリーンランドには豊富なレアアース資源がある。
