2026年1月8日(木)

World Energy Watch

2026年1月6日

 新年早々、トランプ大統領がベネズエラの首都カラカスを爆撃し、マドゥロ大統領の身柄を拘束したと報じられた。軍事攻撃後の記者会見では、トランプ大統領はベネズエラの国家運営と石油産業に関与し立て直すと発言した。米国がベネズエラに関与するのは、麻薬を断つだけではない、ベネズエラの石油が必要な事情があるのだ。

(ロイター/アフロ)

 世界最大の埋蔵量を持つベネズエラの石油生産は低迷している。その石油の増産は、世界が脱炭素に向かい石油消費がピークアウトするとされる時に意味があるのかとの疑問もある。

 しかし、2010年代にピークアウトするとされた石油の生産と消費は伸び続けている。国際エネルギー機関(IEA)は、30年頃にピークアウトの可能性もあるとしているが、50年まで石油の需要が伸び続けるシナリオも提示している。

 先進国における輸送部門の非炭素化の遅れ、途上国における消費増の勢いを見ると、石油はまだまだ必要とされそうだ。

 トランプ大統領は、かつてベネズエラの石油資源国有化により米国石油企業は大きな利権を失ったので、それを取り戻すと攻撃後にスピーチした。

 だが、ベネズエラの石油はあまり質が良くない粘度が高い重質油だ。いまさら、巨額の投資により生産を復活する価値があるのだろうか。実は、米国にとってはベネズエラの石油は重要なのだ。その背景にあるのはシェール革命だ。

 シェール革命により米国は世界最大の産油国になった。数字上は自給率100%超だが、国産原油の品質に偏りがあり、国産原油だけではガソリンなどの石油製品を低コストで精製することができない。

 ベネズエラ産原油は国産原油を品質面で補完している。ベネズエラ原油を入手すれば、米国は真の自給率100%が達成でき、石油の安全保障を考えなくてもよくなる。


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