2026年1月26日(月)

日本人なら知っておきたい近現代史の焦点

2026年1月26日

 しかし、今回の事件では、米国籍を持つ白人女性を、不法移民を取り締まる組織が撃ち殺したのである。当初は、被害者の側を非難していたトランプも、主張をトーンダウンさせていることがわかる。これはまずいと考えなおしたのだろう。

 実績の報告はまだまだ続いた。「メキシコ湾」を「アメリカ湾」と変えたことを自画自賛したときには、「トランプ湾」にしようとしたが、「そうしたら殺される」と思ったからやめたと冗談めかした上で、記者たちの受けがまんざらでもないのを見て、「いい響きだ。そうする手もあるかもしれない。まだ遅くはない」とも語っている。

 今後、忖度した補佐官によって再度の名称変更がなされるかもしれないし、グリーンランドを「トランプランド」と呼ぼうという米側の提案がなされも驚く人はそれほど多くないかもしれない。

 他には、軍の強化、国際機関からの脱退、公共放送の廃止、コロンブスデーの復活、性別を二つにしたなど、次から次へと自らの政策について触れていった。いまさらながらその数の多さには圧倒されないわけにはいかない。

関税についても語る

 ここで、注意しなければならないのは、本会見でトランプが最高裁に対して、脅しをちりばめるのを忘れていなかった点である。

 トランプが議会の承認を得ずにかけたいわゆるトランプ関税については、今、連邦最高裁判所の判決が待たれている。トランプはそれを念頭に、「もし最高裁がトランプ関税は違憲だというなら、関税で得た金を返還しないといけないが、それを多くの人を傷つけずにできるとは思えない」と述べて、関税を無効ともし最高裁が判断し、それによって多くの人々が傷ついたらそれは最高裁の責任だというのである。

 関税については会見の終わりの方でも、それまで中国に自動車産業を乗っ取られていたのにも関わらず、関税の御蔭で米国にはこれまでにないほど自動車工場が戻ってきていると指摘したうえで、最高裁が関税について「正しい判断をするといいと思う」と再度くぎを刺している。

 メディアの中には、今回の記者会見について、軍事力強化、国内事業への直接投資、最恵国待遇薬価政策に注目し、関税については多くは語られなかったとしたものもあったが、実際のトランプの発言をみると、関税についても積極的に語り、重きを置いているのがわかる。


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